今回ご紹介していく村は、バノンと言うヤギのチーズ名で有名なバノン村です。我々もこのチーズを知らなければ立ち寄ることも無かったかもしれない小さい村です。
バノン村の位置
バノン村はプロヴァンスの中心地アヴィニョンから約100㎞ほど東に移動したやや高地にあります。周りは農地や山に囲まれており、のどかな高地プロヴァンス( Haute-Provence)の村の一つです。
この周りはラヴェンダー街道が多く通っており村へ向かう街道沿いでも7月には一面のラベンダー畑を楽しむことができます。
だいぶ奥まったエリアにあるため、公共交通機関でアヴィニョンやエクサンプロヴァンスなどの大きい町から直接アクセスすることは非常に難しいかと思います。したがって車が利用できない場合はバスの乗り継ぎを観光案内所などで確認してもらう必要がありそうです(列車でのアクセスはありません)。
バノン村の魅力
なんといってもこの村の名前を関したAOC(Appellation d'Origine Contrôlée)認定のヤギのチーズ、バノンがこの村を有名にしています。
しかしながら村の中にもチーズが買える店舗は2店舗程度、周りは農地ばかりでヤギの姿はいまだ見たことがありません。バノンチーズはこの村の特産物と思い込んでいましたが、実はこの村を中心とするかなり広いエリアがAOCで認定されています。
バノンの特徴は栗の葉に包まれていることでしょうか。熟成が若いものは身が白くて硬いテクスチャーをもっており、ミルクの香りの中にほんのりと酸味を感じるフレッシュなチーズです。熟成が進むにつれ、栗の葉の色がついて表面が茶色っぽくなり、香りも移ってきます。食感はどんどんクリーミーになり旨味がでてきて濃厚なチーズに変化していきます。そうなると、複雑な臭みも出てくるので、強いチーズが好みでない方は早めに食べるほうがいいかと思います。
チーズはこの村に来なくともフランスではかなり一般的に購入可能です。作り手により味に差はあると思いますが、おススメのチーズの一つです。
バノン村散策
さて村の散策ですが、特にこれといった観光名所があるわけではないんで、村の一番上に立つサン・マルク教会を目指して歩き出します。
村一番の大通りにはレストランやカフェもあり、お昼時だったこともあり、こんな田舎の村でも観光客がテラスを陣取っていました。
またちょっとしたお土産物屋などもありますが、こんな田舎ですので昼休みには注意しましょう!商店はほぼ例外なく一斉に店を閉じます。
さて、散歩だけの我々はレストランにも目をくれず細い路地を上へ歩いていきます。
少し上ると門のような大きな砦?が前に現れます。あまり英語を含む外国語の情報が無いのですが、おそらくこれが旧村への入り口になる門だと思います。
さて、この中を通り抜けると、すぐに道は石畳となり音が途絶えたような静かな散策になります(嘘です。蝉が鳴きまくっています)。
適当に左右のプロヴァンスらしい家々や夏真っ盛りの植物や花を見ながら上へ進みましょう。
村の風景を楽しみながらあという間に村のてっぺんに建つサン・マルク教会に到着です。
ここまで来ると村の下部に広がる農地が遠くまで見通すことができます。特に天気のいい日は空も広く、木陰を探してそこからのんびりと広大な景色を楽しめます。
下り路も適当に寄り道をしながら先ほど通り抜けた門を目指します。
小さい村なので迷うほどの路地はありませんが、できるだけ違う道を選んで楽しみましょう。
最後に
再び村の大通りまで戻ったら、この村に来た本当の目的である食料品店へ向かいます(散策はお昼休みが終わるのを待つため)。
ほぼ毎回訪れるお店ですが、ここではチーズやお肉、その他ワイン、はちみつなど様々なプロヴァンスの食べ物が買えます。目玉商品は(我々の目当ては)”極細サラミ”の購入です!
写真だとちょっとわかりずらいかもしれませんが、天井からぶら下がっている直径1センチ、長さ60センチほどのサラミです。
このサラミは、ナチュラル、胡椒、サリエット、クルミ、ヘーゼルナッツ、松のみなど様々な味があり(品切れのこともありますが)、毎度、お気に入りの味のサラミを買って帰ります。
お味のほうは凝縮感があり、また上記のように個性的なヴァリエーションもあり、毎度楽しめます。
実はとても有名なお店で、様々な旅行本などでもよく紹介されています。またネット販売などもしてたのですが、なぜかこのブログを書いているときにWebリンクが開きません💦 ネット販売やめてしまったのかも、、、。
http://www.charcuterie-melchio.fr/
それではまた。
2020年夏のプロヴァンス旅行をまとめた『2020年、真夏のプロヴァンス』シリーズ