さて、プロヴァンスの紹介で外せないのが、ラベンダー街道と呼ばれるルートとその沿線で見れる見事なラベンダー畑や街道沿いの村々です。
ラベンダー街道
プロヴァンスではその季節になるといたるところでラベンダー畑を目にすることができます。高速道路で私たちの住むドイツやパリから南に向かう高速道路A7(別名:太陽の道)を走っているとリヨンを超え、モンテリマール(Montelimar)を過ぎるぐらいから左右に畑が見えだします。
正確にはラベンダーには2種類あるようで、本来のラベンダーはラヴァンド・フィン(Lavande fin)と呼ばれ、標高600メートル以上の高地で栽培されています。
それに対し、交配種のラヴァンダン(Lavandin)は400-600メートルぐらいのところで栽培されており、容易に収穫できることから一般的に石鹸などのおみやげ物に多く利用されているようです。
ランベンダー製品で有名なラベンダーオイルなどは、ラヴァンド・フィンから作られたものは高級品として取り扱われます。
つまり、プロヴァンスの町々や一般家庭で見られるラベンダーはほとんどラヴァンダンと呼ばれる交配種のようです。と言え、実物を見るとラヴァンダンのほうが発色も良く、花も鮮やかで見栄えはいいんですよね。
観光客の私たちは、そこまで深く考えなくてもいいかと思いますので、気軽にラベンダー畑を見ようと思うのであれば、すでにご紹介しているリュベロン山脈の村々を縫うルートで十分に見ることができます。
そしてもし、時間的余裕と移動手段があれば、是非訪れてほしいのが、標高の高い山中にあるソー(Sault)の村を中心としたエリアやマノスクから高速道路A51の両サイドの山脈に進むルートです。ともにとても不便なところにありますが、アヴィニョンやエクス・アン・プロヴァンスからのツアーなどもあるようです。
また、もし日程的にこのエリアに宿泊することができるのであれば、レンタル自転車でゆっくりと回るのもおすすめかと思います。
途中こんな看板も見れますよ。運がいいとこんな風景も!


おすすめの季節
一般的には6-8月が見ごろと書かれているものを多く見ますが、ラベンダー畑は観賞用でなく、あくまでも農業栽培のための畑であるため、当然刈り取りがあります(まさに満開のところで一斉に刈り取られます)。
すでに書きましたように比較的高地で栽培されていますが、リュベロン地方など比較的低地では早くから咲いて早く刈り取られていると記憶しています。
それに対し、高地では6月はじめでは、まだ満開とは言えない感じです。
それを考えると7月がベストなのではないかと個人的には思っています。
ソー(Sault)の村
ラベンダー街道の中心地としてよく名前が出るのがこのソー(Sault)の村です。
この村に向かうルートはいくつかありますが、カルパントラ(Carpentras)からのおすすめはこの2ルートです(車で40-60分)。
モン・ヴァントゥ(Mont Ventoux)をまじかに見ながら行くコース
このルートでは、プロヴァンスの代表的な山、モン・ヴァントゥをまじかに見ながらソーの村へ北側からアクセスできます。
このコースは途中までツール・ド・フランスの超有名な山岳コースをたどるため、自転車に気をつけて走らなければなりません。
頂上部分がその白い石で覆われ、いつも雪を被っているように見えるこの山は、まさにプロヴァンスの象徴!、一見の価値アリです。


モン・ヴァントゥへの分かれ道を過ぎるとソーへ向かう道になりますが村に近づくと高台から村の回りに広がるラベンダー畑が一望できます。
一面のラベンダー畑を想像するかもしれませんが、実際は、飛び飛びで畑が点在しています。
そして、よく写真で見られる深い紫色というより、実際は淡い紫色をしています。
険しい崖沿いの道を進む旧道で行くコース
このコースでは狭い旧道を進むため、運転は怖いですが、絶景の谷を見ながら行くことができます。
途中には下の写真のような激しい崖を見ることもできます。
また、途中途中で崖に掘られたトンネルを抜けるのですが、幅が一車線しかないため、対応車が来ないことを確認しながらトンネルを抜ける必要があります。
さらに、絶景が眺めらるコースのため、激しい山岳道にも関わらずサイクリストが多く、注意が必要です。
ソー村
ラベンダー街道の中心地ソー村は、周りのラベンダー畑を見渡せる高台にあります(村の標高は766m)。
村へ入る街道沿いは、ラベンダー畑に囲まれ、感動的な景色を楽しめます。


また、村はこじんまりとしていますが、さすがにラベンダー街道の中心地だけあり、ラベンダーの季節には駐車場を探すのが大変なくらい混雑します。


村にはラベンダーを扱うお店も多くあるので、乾燥させたラベンダーを買って自作のサシェを作るのもいいかと思います。
もちろんお土産屋へ行けば、プロヴァンス柄の生地で作られたラベンダー入りサシェを購入できます。3-5個セットで売っているのでお土産に便利ですね。
そして、ラベンダーはちみつもお土産には欠かせません(ビンなので重いですが)。
また、村では毎年8月15日にラベンダー祭りが行われています。
セナンク修道院
すでにリュベロン地方の記事で紹介しているセナンク修道院ですが、こちらはラベンダーを主産業にしているだけに、夏の時期に訪問できれば、こんな風景を見ることができます(プロヴァンスの写真集などで必ず写っている風景)。
かなり不便なところにあるので、訪れるには車かタクシーになるかと思います。もしツアーなどがあれば、時間の無駄も省けて安心ですね。
私たちはラベンダーの季節に訪問したことはありません。理由は道が険しく、大渋滞確実でUターンもほぼ無理な道幅、到着すればものすごい観光客の大群、行く前に心が折れてしまいました。
それで、季節外れに修道院をゆっくり見学しました。
ラベンダー博物館
リュベロン地方の入り口で幹線道路D900上にある交通の要所となっている町クストレ(Coustellet)からゴルド(Gordes)へ向かう道路D2にラベンダー博物館があります。
ここでは、ラベンダーの分布に関する情報やエッセンスの抽出方法の解説、ラベンダー商品の紹介と販売などが行われています。
プロヴァンスでは、至るところでラベンダー商品(エッセンスやせっけん、クリーム、乾燥花などなど)が販売されていますが、そのクオリティーはかなりバラバラです。
もし安定した商品(特にエッセンスやクリームなど)を購入したい場合には安心して購入できると思います。
逆にお土産としてラベンダーの香りが楽しめればと考えるのであれば、石鹸やサシェ、または袋入りの乾燥ラベンダーなどを朝市(マルシェ)で探すほうが楽しいかもしれませんね。ウチではこれを買い込んでカップに盛って部屋の中に置いたりしています。
まとめ
今回はラベンダーの写真の現像に大分悩みました。
よく目にするプロヴァンスのラベンダー写真ですが、どう見ても加工のし過ぎ、盛りすぎです。あんなに深い色はしてないですよ。
多少明るさの調整はしましたが、それ以外はあまり色味を換えないようにしました(それでも異なるカメラを利用するとメーカーの個性で色味が異なる)。
プロヴァンスの紹介シリーズまだ続きます。是非お付き合いください。