【2021年8月アップデート】
プロヴァンスの楽しさは町や村々の観光だけではありません。朝市で食材や日用品を見て歩いたり、地元の人たちが買い物をしている様子を眺めるのも楽しいです。
色彩豊かな南仏の朝市を是非訪れてみてください。
春にはイチゴやアスパラガス、その後にサクランボ、そして夏にはメロン、スイカ、アプリコット、桃、秋になればキノコやトリュフまで楽しめます。
今回はおすすめの朝市を曜日別に分けてご紹介します。
われわれの朝市攻略法
先に言っておきますが、特に参考にしていただくようなものではありません。
ただ我々の経験では、大きな町では朝市もやや観光化されていて、訪れる人も多く、朝、あまりのんびりしていると駐車スペースを確保するのに大変苦労します。そこは日本でもドイツでもなくフランス、駐車場がなく路駐になることもしばしば。またかなりギリギリの隙間をついて相手も駐車してきます。早めに行って駐車場を確保しましょう!
また、通常は町の中心の広場や大通りが朝市の会場になるのですが、まれに公共駐車場が朝市の会場になる村もあります。こうなると完全に路駐。縦列駐車の練習が重要になります!
とは言え、朝の7-8時からやっているわけではなく、9時ごろから準備始める感じなので、あまり早くから行ってもすべての店がやってないこともしばしば。 とは言え、お昼過ぎには店じまいが始まるので、あまりのんびり出かけるのもダメです。
さあ、まずは市で売っている籐のかごでも買っていざスタート!
月曜日
Cavaillon(カヴァイヨン)
ローマ遺跡(凱旋門)とメロンの産地として有名な町。ローヌ川の支流であるデュランス川のほとりにある町で、メロンを中心に農産物の供給地として有名です。
旧市街の広場や通りに月曜日の午前中に市が立ちます。
Bédoin(べドアン)
我々の一番のおすすめ朝市がこの村です。小さい村ですが、村の大通りすべてがお店で埋め尽くされる大きい市です。
詳しくは、昨年書いた下記のブログをご参照ください。
火曜日
Saint-Saturnin-lès-Apt(サン・サテュルナン・レザプト)<NEW>
さて、こちらの村ですが、我々にとってはかつて初めて訪れたプロヴァンスで初めて宿を取った村であり、とても思い出深いところです。
この村の朝市はとても小さいのですが、その分、生活感もあり、有名な村々の市とは少し趣が異なります。
こんな観光本でもあまり取り上げられない小さい村でも観光シーズンには多くの旅行者が押し寄せ車を駐車するのに右往左往となります。
村は小さいのので歩いて回ってもほんの10-15分です。
もし時間があるならこの村の外れの城塞址とそのさらに上にある城塞内の礼拝堂まで足を延ばしてください。とても素晴らし景色に出会えますよ!
Gordes(ゴルド)
リュベロン地方のおすすめの村として一番に紹介した村です。
リュベロン地方の村としてはかなり観光化が進み、高級ホテルや高級プチホテルも多く、ややあか抜けた感のある村です。観光シーズンが始まると歩いている人たちの感じがとても都会的です。
町の中心にあるゴルド城の回りの広場に市が立ちます。
村の中心部にはほぼ駐車スペースは無く、村はずれの駐車場を早めに確保する必要があります。現在は無料の駐車場は無いと覚悟してください。
水曜日
Saint-Rémy-de-Provence(サン・レミ・ド・プロヴァンス)
地理的にはアルピーユ山系の北側に位置するプロヴァンスでは中規模の町です。この町に向かう街道は中世さながらのプラタナスの立ちならぶ道が続きます(道路拡張で片側のプラタナスが伐採されているところも多い)。
町のはずれにはローマ遺跡(グラヌム遺跡)や画家ゴッホが入院していた修道院(精神病院)があります。
朝市は市庁舎前の広場を中心に旧市街のいろいろな通りにお店が立ちます。
町の中心部には車が入れないため、町はずれの駐車場を探しますが、中規模の町のため、人出もおおく、朝市の時に駐車場を確保するのはなかなか大変です。早めの到着をお勧めします。
木曜日
L’Isle-sur-la-Sorgue(リル・シュル・ラ・ソルグ)
ゾルグ川の中州のような立地にある中規模の町です。旧市街はゾルグ川を運河のように引き込んでいるため、きれいな清流が町のいたるところから見ることができます。
私たちが旅行中に、もっと買い出しに出ることが多い町です(つまり毎年最低1-2回は買い物をしています)。
旧市街すべてに市が立つような規模の大きい朝市です。町を歩くだけでも楽しいですが、時折、運河まで出てゆっくりと町を眺めてください。
木曜日は食品を中心とした朝市が立ちます(もちろん生活雑貨なども出ます)。混雑ぐわいは日曜日ほどではないですが、やはり駐車状況は渋く、やや遅めに行くと車を駐車するのに相当時間を要します。
Maussane-les-Alpilles(モーサンヌ・レザルピーユ)
アルピーユ山脈にあるレボーの要塞都市を北部に臨むこの村は、オリーブオイルでことのほか有名です。
朝市は村の中心からやや外れにある駐車場と小学校に入り口の前の通りに出店が並びます。プラタナスの日陰でゆっくり買い物を楽しめますよ。
春から夏に向けてプロヴァンスの朝市で一番目に付くのはイチゴやサクランボ、さらにトマトなど赤色のもの、太陽光の強さと相まってまさに深紅って感じです。
また、ピーターメイル氏の『プロヴァンスの12か月』でオリーブオイルの買い付けに訪れたのもこの村の協同組合です。
オリーブオイルに関しては、下記のブログをご参照ください。
金曜日
Bonnieux(ボニュー)<NEW>
リュベロン地域のお勧めの村の朝市と言えば、こちらボニュー村の朝市です。
もし村の観光を考えているのであれば、是非、朝市の曜日に合わせて朝からお出かけください。
季節外れや平日はひっそりとしている村も観光シーズンの春から夏の間は駐車場を探すの大変なほどの大賑わいとなります。
村の入り口となる教会から坂道を登りながら左右に展開する生活雑貨や食品を扱うお店を見ながら石造りの村の中へ進んでいきましょう。
朝市のエリアを抜けたら細い石畳の道を上り村の最上部にある教会を目指しましょう。
そこからリュベロン地域全体を見渡しながらゆっくり次の目的地を考えてくださいね。
村のご案内は是非下記のブログをご参照ください。
Carpentras(カルパントラ)
さて、秋にはトリュフ取引で有名な町、カルパントラの朝市もおすすめです。
町の規模も大きく、旧市街全体に朝市が立ち並ぶかなり大規模な朝市です。
町の歴史はローマ時代にまでさかのぼり、町の北側には今も凱旋門が残ります。またかつての市壁の一部が門としても残っています。
どこの町にってもオリーブのお店は何店も出店しています。正直言って違いがよくわからない(かなり試食しまくりました)。なので、混んでそうなお店に並んで買っています。
旧市街に隣接する駐車場もまるまる市場に変わってしますので、他の駐車場を探すのがこれまた大変な町です。
Eygalières(エガリエール)
アルピーユ山脈の中にある小さい村ですが、緑に囲まれた小山を中心にとても美しい村です。
朝市は村の中心部のリパブリック通りを中心に開かれており、20件程度のお店が並びます。それでも観光シーズンは大変な賑わいになります。
土曜日
Apt(アプト)
この町はリュベロン地方の村々の真ん中を通り抜ける幹線道路D900の奥の奥にある町。いろいろな果物のフリュイ・コンフィで有名な町です。
リュベロンの中でも唯一、町と呼べる大きさがあります。その分、朝市も大きく、広場という広場、細い路地に至るまでお店が並びます。旧市街の路地は狭いのですれ違うのが大変なほど混雑することも珍しくありません。
市庁舎前の広場は色とりどりのテントが張られ、上から見るととても鮮やか。
日曜日
L’Isle-sur-la-Sorgue(リル・シュル・ラ・ソルグ)
さて、この町は木曜日にも紹介していますが、日曜日にも市が立ちます。そしてこの町の日曜日は骨董市でもあります(骨董市+普通の朝市)。
実はこの町、アンティークショップだらけのアンティークの町なんです。町の中を流れるソルグ川沿いはほぼすべてアンティークショップという状態です。日曜日はそれぞれの店が道路まで出張り、ガラクタから骨董まで、まさに蚤の市ですね。
まさにぶらぶらしながら小物のお土産や掘出し物を探すにはもってこいかもしれませんよ!
日曜日ということもあり、この町の骨董市はいつ出向いても大変な賑わいです。
特に春から夏にかけての観光シーズンはビックリするぐらいの人出です。朝市と骨董市、さらに町を流れる運河を楽しみながらぶらぶらするのに最適です!
その他
Aix-en-Provence(エクス・アン・プロヴァンス)
プロヴァンスのパリと言われるほど、洗練された町並みは、是非訪れてほしい都市の一つです。町のいたるところでほぼ毎日、市が立ち、それぞれ食品や花など、さまざまな青空市場を楽しめます。
Avignon (アヴィニョン)
プロヴァンスを代表する都市の1つ。町の北側にはかつての教皇庁が今も残っています(是非、見学してください)。
この町は現在も旧市街が市壁で囲われており、その壁の高さや厚さを見ると圧倒されます。
これほどの規模の町になるとほぼ毎日、いろいろな青空市が立ちます。さらに屋内常設市場は日曜日も午前中オープンしています。
Velleron(ヴェルロン)
昨年、この村で行われる生産者直売市のお話を書きました。地元の人が山のように訪れる夕方の市(朝市ではありません)です。直販とはいえ、人気店とそうでない店があり面白いです。是非、下のお話をご覧ください。
まとめ
もちろんこれ以外にも毎日いろいろな町や村で朝市が立ちます。
大きい町ほど観光化されていますが、小さい村では今でも生活必需品を購入する大切な機会になっているようです。そのため、単なる食品以外にも衣類や靴その他日用品のお店も多く出店しています。
我々は、大体一週間程度滞在することが多いのですが、野菜やチーズ、果物、オリーブ、ジャム、はちみつなどはほとんど市に出かけて買っています(パンと肉、ワイン、オリーブオイルはお気に入りのお店に行く)。
と言うかこれが楽しみで行っているようなもの。とにかく野菜の味がドイツと比較にならない逞しさ!
プロヴァンスに限った話ではないでしょうが、やはり食べ物は南のほうが絶対にいい!
また、お土産を探すにももってこい。食品以外にもオリーブやラベンダーを使用した石鹸やクリーム、さまざまプロヴァンス風デザインのテーブルクロスなど上げていくときりがありません。
それでは、プロヴァンスシリーズ、まだまだ続きます。
2020年夏のプロヴァンス旅行をまとめた『2020年、真夏のプロヴァンス』シリーズ