リヨン、アヴィニョン、アルルと流れてきたローヌ川が地中海に流れ込むところにできた三角州、これがカマルグと呼ばれる湿原地帯です。
今回はこの三角州にあるカマルグ自然公園とカマルグの中心的な町、 サント・マリー・ド・ラ・メール(Saintes-Maries-de-la-Mer)さらに、この三角州の端にある塩の町、エグ・モルト(Aigues-Mortes)を紹介していきます。
これまで見てきた内陸のプロヴァンスの風景とは異なる一面をお楽しみください。
- カマルグ(Camargue)について
- サント・マリー・ド・ラ・メール(Saintes-Maries-de-la-Mer)
- オルニトロジック・デュ・ポン・ド・ゴー公園(Parc Ornithologique du Pont de Gau)
- エグ・モルト(Aigues-Mortes)
- まとめ
カマルグ(Camargue)について
ローヌ川が地中海に流れ込むところにできた三角州(湿地帯)の大部分がカマルグ自然公園として自然保護区域に指定されています。
そのため、定められた道路以外は自動車での立ち入りができないところやカマルグ自然公園の中心にあるヴァカレス湖(Étang de Vaccarès)を含む一帯(カマルグ自然環境保全地区)などは立ち入り自体が禁じられています。
ここでは、牛や馬の放牧が盛んで、特に『カマルグの白馬』が有名です。
また、野生のフラミンゴが湿地帯に飛来してきます。
サント・マリー・ド・ラ・メール(Saintes-Maries-de-la-Mer)
カマルグの代表的な町であるこの町は、きれいな砂浜を持つ地中海に面した美しい町です。
この町は、聖母マリアの妹マリア・ヤコベ、ヨハネの母マリア、マグダラのマリアや使徒がユダヤ人の迫害から逃れてこの地にたどりついたいう伝説に由来します。町の名前、サント・マリー・ド・ラ・メールとは『海の聖マリアたち』という意味だそうです。
マリアたちの遺品が残る教会(Notre Dame de la Mer)は町の中心部にあり、観光をする際の目印にもなります。キリスト教の巡礼地としても人気のあるこの教会ですが一時は要塞のような役目も果たしていたようです(かつては海賊などの外敵から町を守っていた)。
教会のテラスからは町が一望でき、輝く地中海と白い壁にレンガ色の屋根を楽しむことができます。
また、海岸沿いの道からはすぐに砂浜にでることができます。
オルニトロジック・デュ・ポン・ド・ゴー公園(Parc Ornithologique du Pont de Gau)
カマルグ自然公園の中にある、有料自然公園です⁈
まとまったフラミンゴが見たい!または、手っ取りばやくフラミンゴがみたい!という場合はかなりおすすめです。
Welcome | Parc Ornithologique du Pont de Gau
早い話、敷地内の湿地帯や池に餌がまかれているのだと思いますが、周りの湿地帯や池とは比較できないほどのフラミンゴが集まっています。
敷地はかなり広く、フラミンゴ以外にも様々な鳥やビーバーなども見ることができます。
大きく一周しようと思うと2時間は覚悟したほうがいいかと思います。もちろん入り口近くにフラミンゴの集まる池があるので、その池の周りだけを散歩するのもアリかと思います。
この公園とはやや異なりますが、これから紹介する Domaine de Méjanes はレストランもありますが、ここに車を止めて、馬や牛の放牧地やさらに湿地帯へ向かえば、フラミンゴやビーバーなどにも会える無料で楽しめるエリアがあります。
ここも敷地内をゆっくりと歩けばあっという間に1-2時間が過ぎるほど広大な土地です。そして白い馬の放牧をみるならここが断然おすすめです。
先ほどの有料公園以外でも、下の写真のようにぽつぽつといった感じではありますが、湿地帯に近づけばフラミンゴを見つけることができます。
我が家ではこっちのほうが自然な感じがして評判が良かったですね。
エグ・モルト(Aigues-Mortes)
この町は塩田に囲まれ、中世の雰囲気が未だに残る完全に長方形の城壁で囲まれた城塞都市です。
エグ・モルトとは『死んだ水』を意味するようで、かつては潟に囲まれた島のような地形で、船が航行できる運河によって外海と結ばれており、港町として栄えていたそうです。しかし運河が土砂の堆積で次第に浅くなり船が航行できなくなったことで衰退、遂には海から遠のき、やや内陸で塩田に囲まれた町になってしまったようです。
この町のはルイ9世によって作られたので、町の中心部の観光案内所の前には今も彼の銅像があります。
この町では、まずは全体を見渡すため、城壁に登って長方形の町を一周してみましょう!
城壁内の旧市街を見るのもいいし、陸地側に広がる運河を見たり、海側に広がる塩田を見るのもいいかと思います。
市内はまさに中世の雰囲気、でもレストランやお土産屋さんでにぎやかです。
そして一番の観光名所が、コンスタンス塔です。
城壁の角に立つこの塔は、かつて港町だったころの灯台でもあったようです。そしてよくある話ですが、牢屋としても使われていたとか。特徴のある形をしてるので城壁を歩いていればすぐに目につきます。
ちなみに城壁と塔への入場は有料となっており、現在の情報では8ユーロとの事です。ちょっと高いですが、ここまで来て城壁に登らないわけにはいかないでしょう。
また、フランスであればどこでも買えますが、ここはカマルグの塩『フルール・ド・セル』の産地です。現地のスーパーで買えば一個、2.6ユーロぐらいですかね。
製法がローマ時代から変わらず手作業で採塩しているというのが売り(?)だからでしょうか、蓋の上には採取した職人さんの名前が書いてあるのが面白いです。
パッケージも可愛く、味もグッドなのでお土産として強くおススメできる一品です。
まとめ
プロヴァンスへ観光に来てもなかなかカマルグまで足を延ばすのは大変かもしれません。どこか大きい町を中心にカマルグ観光を考えるのであれば、アルルやニームが候補になると思います。ともにローマ遺跡を町の中心部に持つ、プロヴァンスを代表する観光都市なので、ベースにするにはちょうどいいかと思います。
一度目のプロヴァンスでは選択しずらいかと思いますが、二度目、三度目の訪問であればかなりおすすめのエリアです。
是非、地図を見ながら妄想してみてくださいね。
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