今回は、アルピーユ山脈にそびえるレ・ボーの要塞都市とその周りの観光に関してお知らせします。プロヴァンスでもリュベロン地方の村とは全く異なる風景をお楽しみください。
- アルピーユ山脈
- レ・ボー・ド・プロヴァンス(Les Baux-de-Provence)
- サン・レミ・ド・プロヴァンス(Saint-Rémy-de-Provence)
- グラヌム遺跡(Site Archéologique de Glanum)
- モーサンヌ・レ・ザルピーユ(Maussane-les-Alpilles)
- その他の見どころ
- まとめ
アルピーユ山脈
アルピーユ山脈はアヴィニョンからアルルに向けて流れるローヌ川とアヴィニョンの南側でローヌ川に流れ込むデュランス川の間にある山脈で白い山肌を見せる一種異様な山脈です。
アルピーユの山ではプロヴァンスならではのハーブ(ローズマリーやタイムなど)を楽しめますし、また周りの平地にはオリーブ畑が広がり、その景色は壮観です。
地図で見るとちょうどアヴィニョンの南に位置しています。
レ・ボー・ド・プロヴァンス(Les Baux-de-Provence)
アルピーユ山脈の中央に座しているのが、まさに要塞都市と言って過言ではない、このレ・ボー=ド=プロヴァンスの町です。
この町はアルピーユ山脈独特の石灰岩の白い岩山をそのまま利用した要塞都市でした。中世にはこの一帯を治める領主の居城でしたが、1624年以降は何とモナコ公国のグリマルディ家が引き継ぎ、レ・ボー侯爵 (Marquis des Baux) の称号が現在もモナコ大公家に引き継がれているとの事です(名前だけで領土はフランス)。
要塞都市の中は住居地区と城砦に分かれており、かつての住居地区にはお土産物屋やレストランなどが立ち並び観光シーズンには大変な混雑となります。かつては4000人を超える人口だったようですが、現在は数百人まで減ってしまったようです(現在はほぼ完全に観光のみの町です)。
この町では、セミの飾りものを多く見かけます。プロヴァンスは日本の夏のように、夏の日中はセミがかなりうるさいところです。
また、町の上部まで進むと有料で入れるかつての城砦部分があり、時間があれば是非、その中を見学してみるといいかと思います。
この城砦内からの南側に広がるどこまでも平らに広がる大地を是非ご覧ください。
天気がいいと地中海まで見渡せます。
一旦町を離れ、町の北側まで進むとちょうどいい場所に眺めのいい崖があります。
我々のお気に入りスポットで下の写真の崖に腰かけてフランスパンをかじりながら、正面に見えるレ・ボーの姿(上の写真)を眺めて日向ぼっこしています。
レ・ボーはアルピーユ山脈の代表的観光地というよりプロヴァンスを代表する観光地です。
例のごとく、思いっきり不便なところ(まさに陸の孤島です)にあるので、車での訪問が確実ですが、下にリンクを張った『地球の歩き方』情報では、アヴィニョンからバスがあるようです。
サン・レミ・ド・プロヴァンス(Saint-Rémy-de-Provence)
アルピーユ山脈の北の玄関口にある街がこのサン・レミ・ド・プロヴァンスです。レ・ボーに向かう北側の玄関口にあります。
旧市街は中世の趣を残す円形でかつての市壁の代わりに現在は道路が町を囲んでいます。旧市街では毎週、水曜日に朝市(マルシェ)が開かれとてもにぎわいます。
南仏プロヴァンス・おすすめ朝市散策(曜日別) - さあ、飛ぼう!
表通りから一歩裏側に入るとひっそりとした雰囲気の落ち着いた住宅街になります。
また、あの『ノストラダムスの大予言』で有名なノストラダムスの生家があることでも有名です。
南側の町はずれには、画家ゴッホが入院していたサン・ポール・ド・モーゾール修道院(入院時には精神病院となっていた)もあり、入院中も作品を手掛けていたようです。周りには今も同じような風景が広がっているようです。
グラヌム遺跡(Site Archéologique de Glanum)
プロヴァンスはそのままローマ遺跡の上に今の町があると言っていいほど、さまざまなローマ遺跡がありますが、この遺跡はアルピーユ山脈の峠の重要な位置に築かれた、そして放棄された町の遺跡です。
現在も一部発掘中のようですが、ゲルマン人の襲撃を受けて町が破壊され、その後放棄されたままだったのが1912年に発見され、発掘が行われるようになったようです。
規模は小さいですが、町が丸ごと一つが遺跡としてアルピーユ山脈からサン・レミ・ド・プロヴァンスに向かう街道沿いの谷に広がっています。
見学は有料ですが、とても見ごたえのある遺跡です。
大都市の遺跡に比べるとすべてが小さいのですが、すべてがそろっている。さすがローマ帝国って感じです。
モーサンヌ・レ・ザルピーユ(Maussane-les-Alpilles)
木曜日に朝市が開かれるのこの村は、南側からレ・ボーへ向かう起点となります。
夏のハイシーズンには村の中心部の噴水のある広場は、周りのカフェのテーブルと椅子で埋め尽くされ、それでも席を見つけることが難しいほどの混雑となります。
村中のプラタナスの木が夏の強い日差しを少しは和らげてくれます。
南仏プロヴァンス・おすすめ朝市散策(曜日別) - さあ、飛ぼう!
そしてこの村を通るアルピーユ山脈の南側を走る幹線道路、D17号沿いはオリーブ栽培で有名なエリアの1つ。このルートを走るとオリーブオイル直販の看板が目に入ってきます。
是非、このエリアを訪れたら味見だけでもしてみてください。どの販売店でも試飲(試食?)できるはずです。
下は、昨年お知らせしたオリーブオイル直販店の記事です。
その他の見どころ
ドーデの風車(Moulin De Daudet)- フォンヴィエイユ(Fontvieille)
この村はドーデの『風車小屋だより』で有名な村です。風車自体は町はずれの岩盤のような丘の上に立っており、その丘からはフォンヴィエイユの村をはじめローヌ川沿いに平地の畑が一面に広がっている風景を眺めることができます。
そして、ここからアルルへ向かうルートは、夏に訪れるとすごい景色が見れます。
一面のひまわり畑です!
昼間動くのが嫌になるほど暑いですが、目も開けているのがしんどいほどの光の中で、是非、ひまわり畑を探してみてください(街道沿いはほとんどひまわり畑です)。
Grottes de Calès - ラマノン(Lamanon)
ここを紹介している サイトは少ないのですが、先史時代から16世紀ごろまで洞穴住居として利用されていた岩場です。現在は公園のような状態になっており、ピクニックに来ている人たちを多く見かけました。
特に触ったらいけないとか、登ったらいけないとかないので、子供たちの格好の遊び場です。
多い時には200人以上の人たちが、このエリアの洞穴を利用して(おそらく洞穴を壁代わりに利用して家を建てて)暮らしていたそうです。
エガリエール(Eygalières)
ここは朝市で紹介した村の1つですが、アルピーユでは人気の村の1つです。あまり観光化されていないところが人気の秘密かもしれません。
村の目抜き通り以外は静かな村道で、村の道を上り丘の上に出ると、かつての教会跡が遺跡のように残っており、周りの風景と相まってとてもきれいです。
また、プロヴァンスはアーモンドの木がいたるところにあります。早春に訪れれば、きれいな白い花を咲かせてますし、夏に来れば、こんな実をつけたアーモンドの木が見られますよ。
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まとめ
このエリアは、プロヴァンスでもリュベロンの村々と並んでとても人気の高いエリアです。観光シーズンは村の中を抜ける細い幹線道路はすぐに渋滞になってしまいます。
それでも、レボーの要塞都市を筆頭にアルピーユ山脈の村々はとても魅力的です。
次はプロヴァンスらしくラベンダー情報をお送りする予定です。