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2020年 真夏のプロヴァンス・ヴァンソーブル村のワイナリー紹介・Domaine Jaume

さて今回から2回に分けてこの夏訪れたヴァンソーブル村(Vinsobres)のワイナリーを紹介します。

まずは、村の入り口にある作り手 Domaine Jaume です。

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初めて訪れる村で初めて口にする作り手のワイン。

どんなワインなのか、初めてだけに期待が高まります。期待を満たしてくれるワインに出会えるでしょうか!

Domaine Jaume

訪れるきっかけは、毎度のことながらフランスの出版社Hachetteが出す『Le Guide Hachette des vins 。今回はアプリで検索し、高評価を受けていた作り手の1つだったことから選びました。

ヴァンソーブル村についてはすでにアップした記事でもご紹介していますので、行き方等はこちらをご覧ください。

www.oni-taiji.com

さて、肝心のDomaine Jaumeですが、村のほぼ入り口に位置しており、車数台分の駐車場を備えたスマートなつくりの建屋です。

Famille Jaume - Accueil

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中もすっきりとしたモダンな造りで、かなり広い空間に様々なワインがおかれています。

その中にはGigondas やCrozesといったVinsobresではない地区のワインもありました。

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さっそくワイナリーの方に試飲を申しいれると、事務所のほうで電話中?だったみたいで”申し訳ないけど、ちょっと待ってて!”とのこと。

並んでいるワインを見ながら試飲するワインを決めていきます。

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我々のスタイルは基本は赤ワイン。気が向けば白もちょっと。でも勧められればなんでも試飲するって感じでしょうか。

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さあ、試飲用のカウンターの前でワイナリーの人が戻ってくるのを待ちます。

Vinsobresは南ローヌ地区の中では最も北方に位置し、さらに高度もあります。ブドウ畑は、見た限りでは、この地区を北東に向かって横切る街道D94の北側に広がるなだらかな南向き斜面を利用してブドウが栽培されているようでした。

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またこのエリアは、隣町のニヨン(Nyons)同様、かつてはオリーブを栽培していたそうです。冬の寒気にオリーブの木が耐え切れず、ワイン用のブドウ栽培に切り替えたらしい。

これは後でわかることなのですが、実はこのエリア、ヴァンソーブル(Vinsobres)のワインと隣町のニヨン(Nyons)のオリーブの相性が抜群です。ここまでドンピシャなワインとオリーブの組み合わせに出会ったことはかつてないといっていいぐらいのベスト マリアージュ

隣り合わせの環境はおそらく土壌などにも共通点が多いのかもしれません。そのため出来上がったワインとオリーブの組み合わせまでもが手を取り合うようで、ワインでよく聞くテロワール(土地、地勢など)の意味深さを痛感した次第です。

試飲開始!

待つこと数分、担当の方が戻ってきました。

こちらの希望を伝え、この地区の赤ワインに絞って試飲をお願いしました。

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まず1本目はCÔTES DU RHÔNE Rouge 2018   6.9€

平均樹齢20年のぶどうから造られている若々しくフルーティーなワイン。

グルナッシュ(60%)をメインに、シラー(30%)とムールヴェードル(10%)をブレンドしたワインで、豊かな果実味と穏やかなタンニンが特徴のフレッシュで口当たりの良い飲みやすいワインです。

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2本目はCRU DES CÔTES DU RHÔNE VINSOBRES "Altitude420" 2016 9.5€

平均樹齢40年のぶどうから造られている、フルーティーながら落ち着いたワイン。使われているブドウはグルナッシュ(60%)とシラー(40%)。

カシスやレッドカラントを思わせる新鮮な果実のコクと柔らかなタンニンが特徴のワインで、2016年ものということや、一部を木樽熟成しているということもあるのでしょうか、しっかり感もあります。

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3本目はCRU DES CÔTES DU RHÔNE VINSOBRES "Référence Rouge" 2016 13.9€

平均樹齢45年のぶどうから造られているフルーティー&スパイシーでちょっとワイルド感のあるワイン。

 使われているブドウはシラー(50%)、グルナッシュ(40%)、ムールヴェードル(10%)。

チェリーなどの果実味にスパイシーさとワイルドさが加わった、シルキーなタンニンを特徴とするワインで、さらなるしっかり感があります。木樽熟成も新樽、1年樽、2年樽の三種が使われているそうです。

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最後はCRU DES CÔTES DU RHÔNE VINSOBRES Clos des Echalas 2016 35€

このワインは、「既に完売していて、もう販売できる分はないんだけど、よかったら飲んでみる?」ということで飲ませてもらったワインです。

年間生産本数6600本。平均樹齢70年の厳密に選別された手摘みのぶどうから造られたグルナッシュ(50%)ムールヴェードル(50%)のワインで、樽熟成は新樽で15カ月だそう。

レッド&ブラックベリー系のコンポートとスパイスの凝縮した香りにフレッシュなカシスやブルベリー、さらにトーストのような香ばしさとブラックペッパー、シルキーなタンニンがきれいに一体となったすごく美味しいワインでした。

まあお値段も他と比べると断トツでしたが、とにかく美味しかったです。

まとめ

このワイナリーのワインはどれもすっきりしたワインだなあという印象を受けました。これまで持っていた南ローヌのワインのイメージ(ドーンとしたパワフルさというか濃さや重さを持っている)がちょっと覆されました。フルーティーさ、スパイシーさや力強さという南ローヌ的特徴をしっかり持ちながらも、あっさりしている(?)というかエレガント(?)というか…。

2軒目のワイナリーでも同じような感想を持ったので、これがVinsobresの特徴なのかもしれません。そして、2軒目のワイナリー以上にこちらのワインのほうがより洗練度が高い気がしました。

今回の購入は、紹介した購入可能なワイン2種をひと箱ずつ(ひと箱6本)、1種を3本となります。おまけに、白ワインを一本いただきました(プロヴァンスではよくおまけをもらえる)。こちらは4種類のブドウで造られた白ワインで、ヴィオニエという品種の香りが特徴的なとても夏向きな白ワインでした。

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