前回から2回に分けてこの2020年夏に訪れたヴァンソーブル村(Vinsobres)のワイナリーを紹介しています。
今回は、街道沿いにある Domaine du Moulin です。
先に訪問したDomaine Jaumeのワインが良かったので、Vinsobreワインへの興味と期待が更に高まりました。今回も期待を満たしてくれるワインに出会えるでしょうか!
Domaine du Moulin
こちらのワイナリーも、毎度のことながらフランスの出版社Hachetteが出す『Le Guide Hachette des vins 』のアプリでの検索で見つけた、高評価を受けていた作り手の1つです。
ヴァンソーブル村についてはすでにアップした記事でもご紹介していますので、行き方等はこちらをご覧ください。
さて、2軒目に訪れたDomaine du Moulinですが、街道D94沿いにあります(実際は街道から少しだけ村の方角へ入る)。駐車スペースはほとんどありませんが道に沿って路駐できるので然したる問題ではありません。
一軒目のDomaineとは異なりこちらは農家風の建物。看板を見るとワインだけでなくオリーブオイルも手掛けているようです。
名前にある風車は見当たりませんでしたが…。
入り口にはタイルでできた表札と営業時間の表示が。よくある小規模の家族経営ワイナリーで苗字はVinson。Vinsobres村のVinsonさんです。
ドアは閉まっていましたが、営業時間中であることを確認して、臆さず「ボンジュール!」と挨拶しながら中へ。
プロヴァンスでは、営業時間中でもワイナリーに人がいないことなんて普通にあるので、鍵がかかっていないならとりあえず入ることにしています。
現在はコロナ禍中ということで、ドアなどに何らかの注意書きがないかをチェックはしてました。
内部に足を踏み入れると、まあ外観からの想像通り、クラシカルな民芸風のつくりのワイナリーでした。
しばし待っていると、とても流暢に英語を話す年配の女性が登場。
これまでの経験上、プロヴァンスでこの年代の方が英語を話される、ということはまずなく、クラシカルな内装とも相まって、”ここプロヴァンスのド田舎だよね?”って意外感に打たれました。
さっそく試飲を申し入れます。
試飲開始!
さて今回もこのエリアの赤ワインに絞って試飲を希望しました。
まず1本目はCÔTES DU RHÔNE Rouge 2018 5.20€
南ローヌの赤ワイン用ぶどう品種を網羅しているような、グルナッシュ(50%)をベースにシラー、カリニャン、サンソ―、ムールヴェードルをブレンドして造られたワインです。
新鮮な赤いベリー系のエレガントな香り。タンニンは穏やかで、軽やかでフレッシュな味わいです。
2本目はVINSOBRES AOC ”Cuvée Les Vieilles Vignes de Jean Vinson” 2018 8.00€
使われているブドウはグルナッシュ(70%)とシラー(30%)。バリック(木樽)熟成されたワインです。
カシスなど青い色のベリー系を思わせる香りにちょっと青っぽさも感じます。美味しいのですが、まだ硬い感じがするワイン。ワイナリーの人も、早くても12月までは飲むのを待って、って言ってました。
3本目はVINSOBRES AOC "Cuvée++" 2017 10.90€
使われているぶどうはグルナッシュ(60%)とシラー(40%)。バリック(木樽)熟成。使われる樽は新樽含む新しめの樽だそう。
深みのある濃い色、甘い香りを持つワインです。タンニンはしっかりめですが、口の中できしむような感じはなく、とてもまろやか。パワフルながらもすっきりとしたとても美味しいワインです。
4本目はVINSOBRES AOC Cuvée Charles Joseph 2017 17.50€
使われているぶどうはシラーとグレナッシュ。比率はわからないのですが、シラーが強い印象です。
バリックの新樽での熟成。スパイシーな中にバニラのような香りがある、こくのあるワイン。タンニンはこれまた、しっかりとしながらも口当たりはなめらか。凝縮した香りや濃厚なのにもかかわらず、重くなく優雅な軽やかさがあるワインです。
まとめ
こちらのワイナリーのワインは1軒目に比べると、凝縮された果実味やほのかなスパイスの風味を感じるコクのある濃厚なワイン感(南ローヌワインの特徴?)が強かったですが、やはりその中に軽やかさや爽やかさを感じるワインばかりでした。
しっかりしているのに重くない、というちょっと矛盾したような表現になってしまいますが、アルコール度が高いのに、するする飲めてしまうワインです。
今回購入したのは、CÔTES DU RHÔNE Rouge 2018とVINSOBRES AOC ”Cuvée Les Vieilles Vignes de Jean Vinson” 2018をそれぞれ6本。VINSOBRES AOC "Cuvée++" 2017とVINSOBRES AOC Cuvée Charles Joseph 2017をそれぞれ3本の計18本(3箱)です。おまけにCÔTES DU RHÔNE Rouge 2018を1本いただきました。
こちらのワイナリーは、6本買うと1本あたりのお値段がちょっとお安くなるシステムでした。
家に帰って気づいたのですがCÔTES DU RHÔNE Rouge のラベルが、試飲したものと購入したものと違うんですよね。 おまけにもらったのは試飲したのと同じラベルのボトルでした。どうしてなんでしょう、まあ美味しけりゃいいや!
2020年7月のプロヴァンスの旅は、あと今回の日程をまとめてご紹介して終了です。
お付き合いいただきありがとうございました。