今回紹介する町は、いまだ中世の市壁を残し、その名前が示すように、町中に47もの噴水や泉があるペルヌ・レ・フォンテーヌ(Pernes les Fontaines)です。
ペルヌ・レ・フォンテーヌの場所
この町は北はカルパントラ(Carpentras)、南はリル・シュル・ラ・ソルグ、西はアヴィニョン(Avignon)、そして東側はボークリューズ山系に囲まれたところにあります。
このエリアはボークリューズ山系から湧き出す豊かな水源があり、さらにローヌ川やデュランス川にも囲まれているので、一見乾燥しているようですがとても水が豊かな地域なのだそうです(だからメロンをはじめ様々な果実栽培が盛んなんですね)。
プロヴァンスの中心地アヴィニョンから約25Km、車で30分ぐらいの距離になります。
公共交通機関を利用する場合、直通は無いようでいったんローカル線でカルパントラへ向かい、そこからはバスで南下する必要があります(所要時間約1時間強から2時間)。あまり頻繁に接続が無い様子です。
観光のスタートは地図の入手から
まずは町の北側にあるツーリストインフォに行って町の地図を手に入れましょう。
地図には、ツーリストインフォを起点に約一時間で回ってこれる”青コース”と1.5時間から2時間かけて回る”赤コース”が表示されているので、どちらかを選んで観光するのが手頃かと思います。
地図上の青いマークはすべて噴水や泉です!
さらに町の中を歩いていると要所要所に下記のような”赤”または”青”の矢印があり、ルートを確認できます!
それでは、ツーリストインフォの前の公園からスタートしましょう!
町散歩スタート
先にお詫びですが、せっかく地図をもらって歩き始めたのにかなり勝手に歩きました。なんとなく1時間コースの”青”に沿って歩いたかなあ、という感じです。
この町にはお気に入りのお肉屋さん兼お総菜屋さんとケーキ屋さんがあり、毎年何度も夜ごはんやデザートのケーキを買いに来るので、よく知っているため、ついつい勝手に歩いてしまいました💦
まずは町の北側を流れるネスク川に沿って、ノートルダム・ナザレ教会へ向かいます。町中に噴水や泉があふれていますが、この川はいつも水量も少なくちょろちょろといった流れしかありません。
いったん橋を渡り旧市街から外に出るとお目当ての教会です。
11世紀に起源をもつプロヴァンス風ロマネスク建築で現在の建物の大部分は12世紀のものだとのことです(その後も改築・増築が施されている)。
教会で少し涼んだ後は、すぐそばのノートルダム橋を渡り16世紀の市門の一つノートルダム門(Prote Notre Dame)をくぐり、再び旧市街へ進みましょう。
市門を抜けるとすぐに噴水と屋根付きの旧市場(La Halle Couverte)などがある広場に出ます。旧市場は1622-1627年の間に建設され、その後様々な目的で利用されていたようです。現在はその後の改築部分を取り除き、原型に近い形に戻しているようですが、かつては壁がつけられ学校として利用されていた時もあったようです。
そのあとは町をぶらぶらしながら上の写真の奥にある12世紀の城の時計塔(Tour de l'horloge)を目指します。途中いくつもの噴水や泉に出会いながらの散歩となります。
時計台は町の中の少し高台にあり時計塔わきの展望テラスに上ることができます(無料です)。
展望テラスから見たノートルダム・ナザレ教会
反対側のアウグスティヌス教会を眺める。
さて時計塔の展望テラスから町を見渡したら、次は再びぶらぶらとサン・ジル門(Porte St. Gilles)へ向かいます。
途中、これまた左右に噴水や泉が次々と現れます!
それぞれ顔が違うので楽しいですよ!
ラスパイユ通りを抜け切るとサン・ジル門(Porte St. Gilles)へ到着します。
門は14世紀と町で最も古い市壁と門との集合体としての建築です。また内部には17世紀の壁画なども残っているそうです。
さて再び旧市街に戻りルイ・ジロー広場(Place Louis Giraud)を目指します。
広場にはアウグスティヌス教会やカフェ、噴水があり観光客の休憩スポットにもなっているみたいです。
またこの広場から見えるこの建物(下の写真)はどうも学校のようです(奥には先ほど上った時計塔が見えます)。
手前に見える緑のドアのついたところは”男子校”となっており逆サイドには同じような建物がありそこは”女子校”と書かれていました!今もそれぞれの出入り口を利用しているかは??です。
この広場から再び門外に向かい、ポルタイユ・ヌフ広場(Place du Portail Neuf)へ向かいます。現在は駐車場と化してしまっていますが、こんな場所にもしっかり噴水があります。
そして駐車場内にはこんな小さいチャペルもちゃんと残っています。このチャペルはなんと1628年築ですが、現存しているのは実はこのファサードのみだそうです(後ろの部分は後付け)
そして最後にご紹介するのがこの町の顔になっているヴィルヌーブ門(Porte Villeneuve)です。16世紀の建築となりますが、門中央部分の町の紋章はなんとフランス革命のときに破壊されたそうです!
門のわきには巨大な石を据えた噴水があり、いつもコケで覆われていて涼し気です。
ずいぶん前にあまりにもコケが付きすぎてしまい、いったんすべて除去されてしまったようです(コケびっしりの写真がどうしても見つからない)。
この門を抜けるとすぐに私たちが毎年利用しているお肉屋さん兼お総菜屋さんとケーキ屋さんが並んであります。
最後に
あまり日本の観光案内では出てこない町の紹介となりましたが、足を延ばせるのであれば是非訪れてほしい町の一つです。夏にゆっくりと噴水や泉巡りをしてみてください。
引き続き2021年のプロヴァンスの旅をお知らせしていきます。