マルセイユは、フランス第二の都市であり、最大の港湾都市です。その歴史は紀元前600年頃に築かれた古代ギリシャの植民市マッサリアに遡ります。
現代では貿易/商業港として栄える一方、2013年には欧州文化首都にも選出されました。
そんなマルセイユの見どころを紹介していきます。
ノートルダム・ド・ラ・ガルド聖堂について
ノートルダム・ド・ラ・ガルド聖堂(Basilique Notre-Dame de la Garde)は別名、「La Bonne Mère(良き聖母)」の名で親しまれるマルセイユのマリア巡礼教会です。
標高161mの丘の上に建つネオロマネスク・ビザンティン様式の教会は、マルセイユ市内からだけでなく海上からも見える街のシンボルのような存在です。
教会は、中世の礼拝堂の跡地に、アンリ・ジャック・エスペランデューの設計により1853年から建設され、1864年6月4日に教皇庁枢機卿クレマン・ヴィルクールによって聖別されました。また1879年には、小バジリカとしての地位を得ています。
聖堂の見学
それではさっそく見学を開始していきましょう。
我々は町の中心部から教会直下のバス停まで60番のバスを利用しました。
バスを降りてからは、石の階段を上り、教会正面のテラスへ向かいます。
山の上に立つこの教会は面積的に広い敷地があるわけではないので、早い時間帯の訪問をお勧めします。我々も朝から出向いたため、比較的スムーズに聖堂に入ることができ、そこそこ余裕をもって見学することができました。
さて、北西を向いた黄金のマリア像が輝く鐘楼が近づくと、その下に聖堂への入り口があることがわかります。
そこからは、もう何も遮るものの無い北側に広がるマルセイユ旧市街の絶景を見渡すことができます(マルセイユ旧港やマルセイユ大聖堂がよく見えます)。
聖堂の中に足を踏みいれると、内部は長方形に延びる形で、幅はそれほどありません。柱や壁は2色の石を利用した縞模様となっており、祭壇に向かうにつれ黄金色が強くなっていきます。
特に内装はラヴェンナやローマの教会をベースとしたらしいです。
この日は天気も良く、窓から差し込む光がより黄金色を強くしていたかもしれません。
午前中早めに来たとは言え、かなりの人出で、一方向に人の流れにのって動くしかありませんでした(通路を含め決して広くありません)。
いったん外に出ると、中へ向かう人の列ができており、聖堂入口はかなりの混雑となっていました。
聖堂の周りは山頂テラスにもなっており、一周することができます。
マルセイユ南側には住宅街とともにサッカースタジアムが見えます。
西側には海が広がり、アレクサンドル・デュマの小説『モンテ・クリスト伯』あるいは『巌窟王』で有名なイフ島やフリウル島も見えます。
北西部にはマルセイユ旧港の入り口にあるサン・ジャン要塞(奥)とサン・二コラ要塞(手前)が見えます。
聖堂の周りを一周した後は、聖堂の地下部分にある地下聖堂(クリプト)へ向かいました。
観光客が更に増えてきたので、おおよそ一時間程度で見学を終えて帰路につきました。
帰りは西側に下るルートを選択し、10分程度降りたところのバス停から55番のバスを利用して町の中心部へ戻りました。
聖堂への行き方
今回は観光の出発点としてメトロのマルセイユ旧港(Vieux Port)駅周辺から聖堂までの行き方を説明します。
60番のバス
60番のバスに乗ると、聖堂直下のバス停まで乗り換えなしで行くことが可能です。
最も歩くことなく、そして安く向かう方法です。
バス代は片道1.70ユーロ、公共交通機関乗り放題チケットやマルセイユ・シティーパスがあればそのまま利用可能。
55番のバス
次は55番のバスを利用した場合ですが、教会の西側の裾にあるバス停(Tellène Valentin)で下車、教会まで一直線の階段を上っていくルートになります。
やや下の方から教会を目指して坂道を登ることになりますので、我々は帰りのルートとして利用しました。
料金等は60番のバスと同じ。
プチトランを利用
同様にマルセイユ旧港(Vieux Port)から60番のバスと同じ教会直下のバス停まで向かうことができます。
バスの乗車に不安がある場合は、この選択肢も可能です。
ただしバスでのアクセスであれば15分程度ですが、プチトランの場合は1時間以上かかるようです(かなりの坂道を小さな汽車で進むので仕方ないですね)。
乗車料金は9ユーロ、マルセイユ・シティーパスを持っていれば乗車可能(1往復のみ)。公共交通機関乗り放題チケットでは乗れません。
Notre Dame de la Garde train tour | Marseille Tourism
まとめ
町のシンボルの様にどこからでも目に入るこのノートルダム・ド・ラ・ガルド聖堂はマルセイユ観光では、絶対に欠かせない観光スポットだと思います。
中心部から徒歩でのアクセスはなかなか大変な距離なので、何らかの交通手段が必要にはなりますが、ここでしか見れない風景を楽しんでいただければと思います。