今回は、ギリシャのパトラからリオ・アンティリオ橋を渡って対岸の街メソロンギ(Messolonghi)方面へ向かいます。
ここには、パトラから日帰りで行ける2つの観光スポット、『ソルト・ミュージアム(塩の博物館)』と『古代プレヴロナ劇場(Ancient Theatre of Plevrona)』があります。

- パトラからエトリア・アカルナニア州へ
- ソルト・ミュージアム(塩の博物館)
- 古代プレヴロナ劇場(Ancient Theatre of Plevrona)と新プレヴロナ(New Pleuron)遺跡へ
- パトラからメソロンギ方面への移動方法
- メソロンギ方面への観光の感想
パトラからエトリア・アカルナニア州へ
すでに記したようにパトラは、アテネ、テッサロニキに次ぐギリシャ第3の都市です。ペロポネソス半島の北西部に位置し、パトラ湾に面したこの街は、古くから物流と交通の要所として発展してきました。
ただ対岸のギリシャ本土のエトリア・アカルナニア州まで足を延ばす観光客はまだまだ少ないようです。
ぺトラからペロポネソス半島内であればオリンピアへ、またリオ・アンティリオ橋を渡ってギリシャ本土であればデルフィへ向かうこともできてしまうからでしょう。
今回はそのような大きな観光スポットではなく、パトラから1時間程度で向かえる2つの観光スポットを紹介していきます。
ソルト・ミュージアム(塩の博物館)
まず訪れたいのが、メソロンギの海岸沿いのラグーン(潟湖)、トゥルリダ(Tourlida)地区にあるソルト・ミュージアム(Salt Museum)です。

2020年にオープンした比較的新しい博物館ですが、そのユニークな展示内容から、すでに欧州の優れた博物館に贈られる賞を受賞するなど、高い評価を得ています。

博物館はメソロンギの街から伸びるラグーンに突き出た道沿いにあり、周囲は見渡す限りの浅瀬と、伝統的な高床式の小屋「プライデス(Pelades)」が並んでいます。

途中の浅瀬(塩田)には我々が訪れた2月には塩の採取は行われておらず、休眠状態の浅瀬の様に見えました。
ただそこにはフラミンゴの群れが!

博物館のすぐ隣には、採集された?塩が白い山となって積まれていましたが、やや古そうで色も悪い(多分、観光用に置きっぱなし)。

ここでは現在本格的な塩の採集は行われてなさそうですが、少し町外れの浅瀬沿いを走っていると大きな塩の山を発見。
こちらは白く眩しいくらいに輝いていました!

さて博物館のほうですが、古代から続く塩の採集方法、世界中の珍しい塩のコレクション、それぞれの時代での人間の生活や歴史における塩の重要性が学べる様にしっかりした展示が行われています。
また、入り口で音声ガイド用の音声再生機も貸し出しており、日本語はありませんが英語などで説明を聞けます(我々はドイツ語があって助かった)。

様々な塩とその産地などの説明を聞いていると塩って本当に産地ごとに含まれているものも違うし、その種類の多さに驚きました。

また塩を使った食品や製品、塩を入れる容器などの展示までありました。
野外にも一部展示があり、当時のトロッコなどがありました(ほぼ放置に近い)。

展示物や説明は充実していますが、比較的小さい建物なので入場料5ユーロはやや高いかな?と思いますが、我々は旅先で塩を買うのも好きなので、最後にここの館内ショップでお塩も購入しました。
いわゆるフルール・ド・セル(手摘みの天然塩、ギリシャ語ではアフリナ)で900gで10ユーロと決して高くない。
このエリアの広大なラグーン(潟湖)には、数百年にわたり操業を続けている2つの塩田があり、現在でもギリシャの塩の65%がここで生産されているそうです。
古代プレヴロナ劇場(Ancient Theatre of Plevrona)と新プレヴロナ(New Pleuron)遺跡へ
古代プレヴロナ劇場(Ancient Theatre of Plevrona)は、ギリシャのエトリア=アカルナニア州メソロンギの北西約5kmに位置する『新プレヴロナ(New Pleuron)』遺跡内にある非常に珍しい構造の劇場址です。

ここから、その歴史、構造、そして観光の見どころについてまとめていきます。
元々の古代都市(旧プレヴロナ)は紀元前234年にマケドニア王デメトリオス2世によって破壊されました。
その後、より防御に適した現在の高台に『新プレヴロナ』として再建されました。
それだけに遺跡へのアクセスは細い道路を急角度で登っていく必要がありました。
と突然、頭上に横に延びる巨石を積み上げた城壁が現れます。

城壁の下にある駐車場に車を止め、すぐその上にある管理棟に向かい、入場料5ユーロを支払い遺跡内部へ進みます。
まずは、約3kmにわたって続く堅牢な城壁(11の門、36の塔などの遺構もある)沿いに城壁の外側を歩いてみました。

城壁は驚くほど正確に隙間なく加工された石で積み上げられており、当時の街を囲む範囲に関してはほぼ全く途切れることなくその遺構がのこっています。

城壁の外側から内側に入る際に登れる部分があったのでそこから今も途切れることなく連なっている城壁を撮影。

城壁の中の建築物は、はっきりと認識できる建物等はすでになく、ほとんどが基礎部分、または地下構造を確認できるような状態です。

そのため、ある程度想像力が必要かもしれませんが、要所要所には説明用の看板もあり、入場の際にもらえるパンフレットと合わせて主にこの町の中心部だったエリアを散策していきました。
下の写真はちょうど当時のアゴラ(広場)があったといわれている場所で、現在でも特に強大な石積みの基礎が多く残っているエリアです。

また当時の貯水施設などもその痕跡が数か所見慣れました。

もちろん最大の見どころは、プレヴロナ古代劇場で、海側に面した城壁が劇場の舞台の背になっているのが最大の特徴です。


直径約11.6メートルの土の舞台を備えており、観客席岩を削って作られています。
現在は約15列が確認できますが、当時は25〜30列ほどあり、約2,000〜3,000人を収容できたと推定されているそうです。
ここは景色もよく、眼下に広がるラグーンを一望できます。
またこの劇場周辺にもかつての痕跡が多くあり、町の中の階段や石畳の道が今も残っています。


劇場の建設は都市の再建と同じ紀元前3世紀後半(紀元前230年頃)と考えられています。
また興味をそそられる話としてはこの町プレヴロナの名は、エトリアの伝説的な始祖エトロールの息子プレヴロンに由来し、ホメロスの『イリアス』では、トロイア戦争に40隻の船を送った都市として記されているそうです。
ゆっくりと回ったこともありますが、約2時間ぐらいで観光を終えました。
平日だったからでしょうか、最初から最後まで入場者は我々のみでした。
遺跡に向かう際、駐車場への道路の途中にゲートがあります。
我々が訪問した際にはゲートが閉じられており、閉鎖中かと思ったのですが、そのわきに但し書きが張られており、自分たちでゲート開け通る様、また通った後は閉めるよう書かれていました(どうもゲートのモーターが壊れており手で開けるしかないようです)。
オープン時間なのだから開けておいてほしいとところですね。
パトラからメソロンギ方面への移動方法
パトラからメソロンギまでは約45-50km程度です。
高速道路での移動となるため有料ではありますがレンタカー、またはバスの利用が可能です。
レンタカーの移動では、特にリオ・アンティリオ橋を渡るか(15.9ユーロ)、フェリーを利用するか(7ユーロ)でも費用に差が出ます・
鉄道での移動は残念ながらできません。
また、バスを利用した場合、メソロンギ到着後の移動は、残念ながらタクシーとなります。
それだけに車の運転が可能であれば、レンタカーの利用が時間的に非常に有利となります。
メソロンギ方面への観光の感想
パトラからメソロンギ方面への観光ですが、それほど多くの観光名所があるわけではありません。
ですが、今回訪れたソルト・ミュージアムやプレヴロナ遺跡などは、それぞれあまり知られてはいませんが見ごたえは十分にありました。
また、2月末とは言えギリシャは暖かく、すでに草花が季節を迎えており、特に遺跡見学では、きれいな草花が一面に広がっている姿を幾度となく目にしました。

それぞれの歴史的背景など調べながら廻れば楽しめるのではないかと思います。
ややマイナーな地域のレポートとなりましたが、次回は知らない人はいないであろう観光地についてお知らせしていきます。