ロードス島は、ギリシャ・ヘレニズム時代、中世の十字軍時代、オスマン・トルコによる統治の時代と様々な文化遺産が残る島で、特に中心地であるロードス(ロードスタウン)はいまもこの島の中心地であり続けています。
今回はロードス島観光の中心地、ロードスタウン(またはロードス)の紹介です。古代ギリシャ時代から港湾都市として発展していたロードスタウン(またはロードス)は、また世界七不思議のひとつ『ロードスの巨像』があったとされる町でもあります。
ロードスタウンについて
ロードスタウンはロードス島最北端にある、この島で最も大きい町であり、また世界遺産にも登録されている歴史地区でもあります。
町は旧市街と新市街から成り立ってますが、観光目的であれば、中世の聖ヨハネ騎士団時代の城塞で囲まれた旧市街がメインになります。
今回は実際に私たちが歩いたルートに沿って町の雰囲気をお伝えできればと思います。
ロードスタウンの観光名所
まずは日中に旧市街を散策した時のルートを振り返ってみたいと思います。
私たちは幸運にも⁈地図上の①のところに路上駐車スペースを見つけることができました。すでにお知らせしているように駐車スペースを見つけることが困難なこの町では、この場所を確保するまで城塞沿いの周回ルートを数周する羽目になりました。
聖アタナシウス門②
それでは、駐車もできたことですから、②の聖アタナシウス門から城塞内の旧市街に入っていきます。
町を取り囲む城塞は聖ヨハネ騎士団が駐屯していた時代には、それぞれの出身国ごとにエリアが決まっていました。この門はちょうどスペイン管轄だったエリアにあります。
そこから右側に伸びる城壁2重3重の城壁はイングランドの管轄だったようです。どこも10mを超えるような城壁で保存状態もよく、天気が良ければ城塞を一周するのも楽しいかと思います(私たちはすべての門をクリアーすることはできませんでした💦)。
さて、城門の中を通り抜けて町の中へ進みます。城門内は暗く道はすべて石畳なので滑らないよう注意しましょう。また上部にはハトがいるので落下物にご注意!
旧市街の路地③
さて城門を通り抜けるといきなり丸石が敷き詰められた路地となります。通りには両サイドの石造りの家々の壁を支えるようにアーチが幾重にもかかっています。幾度となく地震の被害を受けているロードス島の知恵なのでしょうか?
このあたりは町の中心部に比べるとだいぶ静かですが、何件ものお土産物屋もあり、我々の感覚ではメインストリートのお土産物屋より少しお手頃な値段でした。
路地の中を適当に右左と進みながらなんとなく町の中心部を目指します。
この辺はどこを歩いても、似たような石畳の道です。気のおもむくままに歩いてみましょう。
ヒポクラテス広場④
今見てもどこを歩いたかはっきりしませんが、次にたどり着いたのは④のヒポクラテス広場です。
この広場の噴水前からは様々な方向へ道が伸びており、現在位置を確認するのにとても便利な場所でした。広場の周りはお土産物屋やレストラン、カフェなどで賑わっています。
Sokratous通り⑤
さてヒポクラテス広場からやや軽い上りで一直線で伸びる道が⑤のSokratous通りとなります。正面に見えるモスクの尖塔に向かい一直線です。
この通りは町一番のにぎやかな通りで、右も左も様々な商店が立ち並んでいます。
なぜか写真撮り忘れなのですが、この通りにある倉庫のようなコーヒー屋さんでギリシャコーヒーの粉を購入しました。まさに量り売りで売っているお店で奥には焙煎機などもありますがとにかく倉庫みたいなお店でした!
騎士団長の館⑥
この町を代表する観光名所が、こちら⑥の騎士団長の館(Palace of the Grand Master of the Knights of Rhodes)です。そして聖ヨハネ騎士団の本部であった建物です(ただし1940年に再建された建築物です)。
現在、内部は様々な歴史的展示が行われている博物館になっています。各部屋に敷き詰められたモザイクの床は、他の島などで見つかった古代ギリシャ時代の遺物なども含めて構成されています。
オスマントルコによる征服後も当時の建築は残っていたようですが、戦争の際の爆撃で倒壊し、その後再建されたようです。そのためか、残念ながら当時をしのぶとまではいきませんが、そこから先は想像で補いましょう!
入場料ですが、このエリアにある他の施設(考古学博物館等)と合わせて4か所の入場が可能なセットチケット10ユーロがおすすめです(入り口で入場券を購入の際に勧められます)。
騎士の道⑦
さて騎士団長の館をでてそのまま、緩やかに町の下の方へ延びる石畳の一本道が⑦の騎士の道(Street of the Knights of Rhodes)です。
この道はまさに騎士の道にふさわしく、かつては各国の騎士館が連なっており、現在も国旗を掲げ領事館として利用されている館もあります。
おすすめは、是非夜に訪れてください。まるで中世の町に迷い込んだような雰囲気になります(写真は”夜の散歩”にて)。
ロードス考古学博物館⑧
騎士の道を下りきるとその右手が⑧のロードス考古学博物館となります。ここはかつて騎士団病院だった建造物です。
現在は歴史的出土品や彫刻などの展示が中心となり、特に大理石の彫刻『ロードスのアフロディーテ』が有名らしい(運悪く貸し出し中)。
建物内に入ると中庭を中心に回廊の様に2層構造となっています。2階の回廊部分から各小部屋へアクセスし、展示物を見学していきます。
通りに面した2階はかつての大病室だったところかと思います。ここにかつてはベットが並べられていたのではないでしょうか?
さらに2階からは外部に出ることができ、彫刻などが展示されていました。またその先には庭園などもあり外部から遮断された独特の静けさが感じられます。
ロードスの巨像
古代ギリシャ時代には、ロードスへの海の玄関であるこの湾にヘリオスの巨像があったという伝説があります。現在はその足ばであったろう湾の入り口の両サイドに雄雌の鹿の像があります。
今は釣り人が数人、小さい魚を釣っていましたが、かつてはここの湾の入り口を守る様に両岸の足を置いた(つまり湾を跨いだ)ヘリオス像があったそうな。
ロードスタウンで見る日の出
一度ぐらいは日の出を拝んでおこうということで、まだ暗い日の出前に宿を立ちロードスタウンの聖パウル門のそばに駐車して、うろうろしてみることにしました。
聖パウル門から先は稜堡となっておりまさに海に突き出したようなところです。
稜堡のなかは広く、この時間、人は誰もおらず野良猫が数匹いるだけです。
まだ日の出まで時間がありそうだったので旧市街の中へ歩を進めます。すでにご紹介した騎士の道や考古学博物館(旧騎士団病院)の周りも早朝の日の出前は人影もなくひっそりしています。
少しづつ空が赤くなってきたので、風車の並ぶ堤防の方へ向かうことにしました。
下の写真、右手は先ほどまで歩いていた城塞から突き出た稜堡の先端が見えます。海には数隻のクルーズ船が停泊していました。
少しづつ明るさが増す朝のロードスタウンの港。
堤防から眺めるロードスタウン(騎士団長の館)。
ついに日の出の時間となり一つ向かいの堤防より赤オレンジ色の太陽が姿を現す。
ここからはとても早く、あっという間に太陽の色も変わりどんどんと明るさが増してくる。
海の上にも太陽から伸びる光の道が次第にはっきりと映し出される。
そろそろ撮影限界、この日は快晴でとてもきれいな朝日を拝むことができました!
ロードスタウン、夜の散歩
別の日に改めて夜の散歩に行ってきました。夜といってもまだお店の開いている時間、人々でにぎわうSokratous通り。
昼間とはやはり異なる雰囲気となる騎士団長の館、昼間より威圧感が出ている感じかも。
朝方ほどではないですが、静けさとやや恐怖を感じるような騎士の道、通りは暗くまるで違う時代にいるような錯覚を起こします。いまだに騎士団時代の紋章が残っている建物もあります。
城塞を出て海の方へ向かうと、早朝に撮影に訪れた堤防の3つの風車が朝や昼間とはまた異なる表情を見せていました。
船着き場では、停泊している船がそのままお土産屋になっていました。
最後に
この町はかつては古代ギリシャ時代に発展し、中世には聖ヨハネ騎士団によりオスマントルコとの戦いの最前線になりました。町には中世の雰囲気も、トルコの雰囲気もあり他のギリシャの島々の町とはやや異なる印象を受けました。
無論リゾート地として訪れる方が多いかと思いますが、歴史に目を通してから訪問するともっともっと楽しめるのではと思います。
聖ヨハネ騎士団に関してご興味ある方は是非、塩野七生著『ロードス島攻防記』をご一読ください。この町を訪れる楽しさがさらに増しますよ!
それでは『ギリシャ・ロードス島旅行記』の特集記事はこれにて終了となります。この後、旅のまとめと紹介しきれなかった観光スポットを組み込んだ総集編をアップ予定です。