さて、今回も前回に続いてテッサロニキ市内の遺跡と教会を紹介していきます。とにかく旧市街の中に見どころがいっぱい詰まった町です。
今日紹介するルート
今日ご紹介するエリアは海沿いに横長に広がるテッサロニキの旧市街の中心部に集まったローマ遺跡や世界遺産(テッサロニキの初期キリスト教とビザンティン様式の建造物群)にも数えられる教会です。
テッサロニキの初期キリスト教とビザンティン様式の建造物群 - Wikipedia
パナギア・ハルケオン聖堂
1028年に建設されたこの教会は、マケドニア朝のもとで発展した中期ビザンチンの典型的な教会建築様式とされる内接十字型教会堂です。もちろん世界遺産に含まれています。
ビザンチンの高官クリストフォロスの寄進によって建てられたとのこと。パナギアというのはギリシャ語で聖母マリアの称号の1つで、ハルケオンというのは銅細工職人という意味らしいです。この教会のすぐ近くが銅細工職人が集まっていた地区だったことから名づけられた名前だそうです。
ベイ・ハマム
ハマムまたはハンマームと呼ばれるイスラム圏に見られる公衆浴場。
ローマ帝国の浴場文化を引き継いだとされるもので、このベイ・ハマムはオスマン帝国時代である1444年に皇帝ムラト2世によって建てられました。ベイというのはムラト2世の別名らしいです。なんと1968年まで「パラダイス浴場」という名で実際に使用されていたとか。豪華な装飾がほどこされた内部は男女別に分かれていて、それぞれ冷・温・熱の3室があったそうです。
現在は催し物会場として利用されているんだそうですが、残念ながら今回の訪問時は入ることができませんでしたので、外観のみの見学です。
古代アゴラ
次はまさにテッサロニキの町のへそにある2世紀ごろのローマ遺跡です。町の中心にぽっかり穴が開いたように広大な土地が開けています。アゴラとはフォルム(公共広場)のことだそうです。こちらも世界遺産に含まれます。
中心部には二重列柱廊に囲まれたフォルム(公共広場)を配し、その周りにはローマらしく野外劇場(オデオン)もありました。
上の写真は地下回廊の後のようですが、写真左から右にむかい、やや緩い上り坂となっているため、フォルムの水平を保つ目的でこの部分は地下回廊を作り、床を底上げしていたそうです。
アギオス・ディミトリオス聖堂
最後にご紹介するのがこの町の代表的な建築物であるアギオス・ディミトリオス聖堂となります。この教会はキリスト教初期の建築であり、ギリシャ最大のバシリカ式教会堂となります。同様に世界遺産に登録されています。
残念なことに現在の建物は1917年の火災ののち、可能な限り元の建材を利用し再建されたものですが、それ以前の建物は建設時(4世紀中ごろ)のままではないですが、7世紀ごろに再建されたものだったようで非常に歴史ある聖堂です。
地下には今もかつての浴場の遺跡があり、開いていれば見学できるようです。私たちは2回ほど訪れましたが、いずれも閉まったままで入れませんでした。
下の写真のように一部の壁画は火災を免れ、そのままの状態で残されています。
再建された建築物とは言え、ギリシャ正教の信心深い信者の方々の絶えない教会でした。これだけ有名な教会にも関わらず、観光客よりも信者の方々のほうが多く、我々もひっそり邪魔にならないように拝観させてもらいました。
まとめ
市内にはまだまだ紹介できないほどの世界遺産に登録されている教会群があります。ギリシャにはエーゲ航空のマイル修行で、毎年訪れているので、是非再訪してすべてを見つくしたいと思います。