さてさて、ワイナリー訪問です。
まず1軒目のワイナリーKoehlyはワイン街道の真ん中から少し北に位置するKinzheimという村にあり、ピノ・グリの評価が高かったワイナリーです。
Accueil - Vins d'Alsace KOEHLY
訪れたとき、ちょうどワイン造りの作業が行われている最中で、収穫したぶどうがベルトコンベアに乗せられて圧搾機(?)に運ばれていく様子を見ることができました。
しばし作業を眺めたあと、試飲・販売所に入っていくと、若い女性が「ボンジュール!」と迎えてくれました。
「試飲できますか?」と尋ねると、「ええ、もちろん。どのワインの試飲をご希望ですか?」とワインリストと注文票を兼ねたリーフレットを出してくれました。
コピー機による自家製ではなく、ちゃんと印刷会社で作られたしっかりした紙の多色刷りリーフレットで、ワインリストにはずらっと28種類のワインが並んでいました。
種類が多すぎて目移りしてしまったこともあり、当初の目的を果たすということでピノ・グリとゲヴュルツトラミネールをお願いしました。
試飲はピノ・グリからスタートです。
1本目はPinot Gris Hahnenberg 2017。 ワインリストの区分でこのワインはLieux-Dits(リュー ディ)というカテゴリーのワインなのですが、このLieux-Dits(リュー ディ)もGrand Cruではないけれど高品質のワインを生み出す土壌、日・風当たりといった条件を満たしていると認められた特別の区画(畑)、およびそこで育ったブドウで造られたワインを指すようです。
比較的新しい区分で、AOCにはなっていないけれどGrand Cruに準ずる位置づけって感じでしょうか。HahnenbergはそのLieux-Dits(リュー ディ)区画(畑)の1つです。
2本目がPinot Gris Gloeckenberg 2016。このGloeckenbergも区画(畑)の名前で、こちらはGrand Cru区画(畑)の1つ。いわゆるグランクリュワインでした。どちらも共通するのはアルザスのピノ・グリらしい、凝縮した香りながらさわやかさのある骨太なこくのあるワインだということ。
その後に試飲したゲヴュルツトラミネールもLieux-Dits(リュー ディ)Gewurztraminer Hahnenberg2017と Grand Cru(グランクリュ)Gewurztraminer Gloeckenberg 2017でした。こちらの2本もゲヴュルツトラミネールらしい華やかな香りのしっかりしたワインでしたが、あとに残る苦みがちょっと強すぎる感じがしたのが気になりました。
ピノ・グリにしてもゲヴュルツトラミネールにしても、ぶどうごとの特徴がはっきり出ていて共通点は多いのですが、飲み比べてみると明らかに違いがあるのがわかります。こういう飲み比べができるのも試飲の楽しさですね。
「この違いはどこから来るのですか?」と尋ねたら「畑が違います。」と。『いや、それはわかっていて、もうちょっとつっこんだところが知りたいんだけど…。
ちょっと質問の仕方が荒かったかな』と思いながら「テロワールの違いってことですね?」と更に言ってみると、わが意を得たりという感じで返された「おっしゃる通りです」という一言。
これが何故だかフランス語だったので(こちらはフランス語がほとんどできないので、英語で話してもらっていました)、細かい説明をしてもらうにはちょっと言葉の壁(?)が高いかなって感じで、残念ながらそれぞれの畑の特徴などは聞けずじまいに終わりました。
そうこうしているうちに、お客さんも増えてきていたので試飲を終了。Pinot Gris Hahnenberg 2017を6本とPino Gris Gloeckenberg 2016を3本購入してワイナリーを後にしました。