10月中旬にフランスのアルザス地方を訪れました。ドイツとの国境地帯でもあるアルザスはフランスのワイン産地の1つ。北はマーレンハイムから南はタンまで。
幅数キロ長さ約170㎞に渡り南北に延びる地域がアルザス・ワイン街道と呼ばれています。
ボージュ山脈の東斜面に連って一面にワイン畑(ブドウ畑)が広がる様子は一見の価値あり。我々が訪れたときは、既に収穫が終わっている畑もあれば、まだ収穫を待つブドウが実っている畑もあり。
ブドウの葉が色づいて、秋晴れの空のもと黄金色に輝く畑もあれば、まだ緑色の畑もありと、畑によって随分違った表情が見られたのが興味深かったです。
畑の位置、高度やその土壌の違いでぶどうの成熟時期が異なるのだそう。また、その年の天候の影響は大きく、収穫時期が1か月ぐらい変動することは珍しくないようです。
「せっかくワインの産地に行くんだから、買って帰らなきゃね」と出発前からワイナリー訪問をする気満々で出かけました。
街道沿いにはこじんまりした村が点在しています。ワイン街道だけあって、ワイナリーの数が半端ではありません。街道を車で走っていても、途中の村に立ち寄って村の中を散策していても「営業中 試飲・販売しています」の看板が次から次へと目に飛び込んできます。
あまりの多さに「どこに入ったものやら。」と悩ましくなります。もちろん超有名ワイナリーという手もありますが、せっかくだから知る人ぞ知る(?)自分たちのワイナリーを開拓したいという思いがあるわけです。
そんなときの我が家のお助けが、フランスの有名なワインガイド誌「アシェットワインガイド(Guide Hachette des Vins)」。
南ローヌワインの時にもお世話になっているワインガイドブックです。手元にあるのは2018年度版(現在の最新は2020年版だったはず)と最新情報ではありませんが、道しるべにはなってくれるはず。(そもそも最新版を買ったとしても、テイスティングの時期から発行日までかなりの日数が経っているせいか、実際にワイナリーで購入できるのはガイドブックに載っているワインより新しい年度だったりします。)
アルザスワインの特徴(?)というのでしょうか、基本的にブドウの品種が重要視されています。もちろん品種をミックスして作っているワインもありますが、多くのワインが単一品種ワインとして作られています。
それにプラスして51の特級区画があり、その区画で作られ、基準を満たしているワインはGrand Cru(グランクリュ)の名称が名乗れます。
これを反映しているのでしょう、アシェットのアルザス地方のワインの分類はまず、
- 品種別のワイン評価、
- Grand Cruワインのワイン評価(これは品種別にはなっていません)
という構成になっています。あと、発砲ワインのCremant D'Alsace(クレマン ダルザス)という区分があります。
アルザスワインは約90%を白が占めています。
リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリ、ミュスカ、ピノ・ブラン、シルヴァーネルが主要品種として知られており、中でも
の4品種は高貴品種とされ、Grand Cruワインはこの4品種から作られたものに限定されています。
約10%を占める赤ワインはピノ・ノワールです。
ということで、まず、どの品種をターゲットにするかを決めて、アシェットをぺらぺらとめくります。
まあ、どのワイナリーも多品種のワインを揃えているので、品種に特別のこだわりがなければ、適当でもいいのですが、我々はピノ・グリとゲヴュルツトラミネールが気に入っているのでピノ・グリとゲヴュルツトラミネールで良い評価を得ているワイナリー(かつ宿泊地に近いところ、かつデイリーワインとして飲めるお財布に優しいお値段のもの)を探しました。
でピックアップしたのが、KoehlyとDomeine de la Vieille Forgeの2つでした。
長くなっちゃったので、ワイナリー訪問記は次回。