今回も、今秋のフランス・アルザス地方の旅で訪れたカイザースベルク(Kaysersberg)の町を紹介したいと思います。
町の名前の読み方ですが、フランス語ではケゼルスベールでいいのでしょうか?やや不安があるから今回はなじみのあるドイツ語読みで通しちゃいます。
アルザスは歴史的にも文化的にもドイツ的特徴が残っており、ドイツから旅する我々にとってはそれなりにドイツ語も通じるし、とても親しみやすい観光地です。
ワインの品種も白を基調とした作りが中心だし、シュークルートのようにそのままドイツ料理?って感じの地域料理もあります。
ただフランスになり、はやうん十年、フランス化が進み、最近の若い人はドイツ語はおろか地域の方言であるアルザス語も怪しいと聞きます。部外者の私が言うのもなんですが、固有の文化が消えていくのはやや寂しい気もします。
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アルザス地方の中のカイザースベルク
アルザスはどうしても観光地として有名なストラスブールやコルマールといった大中規模の町が有名ですが、実はその2都市の間、南北に走るなだらかな山脈の東斜面にブドウ畑が広がり(アルザスワイン街道)、それに沿うようにいくつもの小さい、でも美しい村々が存在します。
カイザースベルクはそのようなワイン街道からほんの少し山側へ入ったところにある町です。
駐車場は町の回りを取り囲むように準備されています。駐車場に車を止めたら、町の中へ入っていきましょう。
ツーリストインフォメーションへ行って地図を入手しよう
まずはツーリストインフォメーションに行って無料の町の地図を手に入れましょう。日本語地図はありませんが、英語をはじめ欧州内の主要言語の地図がそろっています。
場所は町の中心にある聖十字教会の裏、町役場の一角です。
観光開始
地図にはおすすめのルートが書かれており、その順番(1番から27番)に従って街の中を歩くことにしました。
町役場をスタート(①から④)
ここから細い路地に入り、昔の領主の館(その後19世紀まで病院)や15世紀の木組みの家、さらにルネッサンスハウス(16世紀の建築)を見て歩きます。
聖十字教会とサン・ミシェル礼拝堂(15世紀の建築)、戦士の墓標(⑤から⑦)
聖十字教会はまさに町の中心にあり、13-19世紀の建築、増改築が行われた。
聖十字教会の裏にあるサン・ミシェル礼拝堂と墓地。
この墓地からは北側にあるグランクリュのブドウ畑(Grand Cru Schlossberg)が見渡せる。
コンスタンティヌス帝噴水(⑧)
町の中心、聖十字教会の前の広場にある噴水。周りには様々な壁色の木組みの家々が立ち並び、窓を飾るゼラニウムの花、色づき始めた街路樹、晴れ渡った秋空が美しい。
コンスタンティヌス帝噴水からド・ゴール将軍通りを進む(⑨から⑫)
ここからは町の真ん中を貫くド・ゴール将軍通りを西に向かい進みます。途中観光ポイントを押さえるため脇道に入りながらも町の上部を目指します。
1601年の建築された木組みの家、町の最初の学校としても使用されていた。
16-18世紀ごろ建築された木組みの家、現在は1階がパン屋。
少しわき道にそれ、町の中を流れるワイス川(La Weiss)へ向かいます。
途中1618年の建築物で当時の碑銘のある噴水がある家がありますが、中は確認できませんでした。
ワイス川まで出ると両岸に昔ながらの家並みが見渡せます。
そしてその先の建物の尖塔部分にコウノトリの巣を発見!この辺りではもうすっかり秋なので、今回は見つけられないかと諦めていましたが、やっと一羽確認!
今回の旅で唯一見ることができたコウノトリでした(夏までなら普通に見れますよ)。
再びド・ゴール将軍通りに戻ります。向かいの斜面には13世紀に建てられた山城の廃墟が見えます(㉖)。
こちらは現在は郷土博物館となっている二連切妻屋根の建築物。
通りの途中、水の音がするのでのぞき込むと川の水を引き込んだ水路と水門を発見!
城砦のように頑丈に作られた石橋を目指す(⑬から⑯)
ド・ゴール通りを進むとかなりしっかりした強固なスタイルの石橋にたどり着きます。この周りには観光ポイントがいくつか集まっているのでまとめて見ていきます。
まずは石橋の手前、写真右手が1492年建築の旧鍛冶屋、左手は昔の宿泊施設兼役場。
こちらは旧肉屋(その下を先ほどの水路が流れている)。
町の旧市街と上部を結ぶ城砦化された石橋。観光客が次から次へ写真を撮りくるため、なかなか風景だけの写真が取れない。私的には貴重な一枚。
町上部にある1391年建立の礼拝堂。中には入れませんでした。
こちらも町上部側にある1594年建造のライン・ルネッサンス建築の家。
さらに観光ルートを少し外れてもこんな風景に出会えます。
ワイス川上部から旧市街方面を撮影。
シュヴァイツアー博士の生家(現在、博物館)とシュヴァイツアー博士広場(⑲から㉑)
ノーベル平和賞を受賞しているシュヴァイツアー博士の生家、現在は博物館として利用されている。彼はドイツ帝国領時代のこの町で生まれ、ストラスブース大学で学んだ。肩書は多く、神学者、哲学者、医者、オルガニスト、音楽学者。
生家のそばには、彼の胸像がある公園がある。
同公園の一角には、市壁があったころの市門の一部であった塔が残っている。
まとめ
大体2時間もあれば十分に見て回れると思いますが、町のカフェでゆっくりしたり、昼食を取ったりしながら見て回るのもいいかと思います。さらに時間があれば、裏山の山城跡やブドウ畑の散策なども可能です。
観光化されてはいますが、他の村に比べると生活感もあり、パン屋、チーズ屋(この辺はマンステールの大産地)、ガラス工房などゆっくり楽しめると思います。
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