さあ、飛ぼう!

ヨーロッパ発信の旅行関連情報

秋のフランス・アルザス地方、ワイナリー訪問2・Domaine de la Vieille Forge

続いて訪問した2軒目のワイナリーDomeine de la Vieille Forgeはワイン街道の真ん中から少し南に位置するBeblenheimという村にあります。

Domaine de la Vieille Forge

f:id:Oni-Taiji:20191025055953j:plain

訪れたのは16時ちょっと前頃だったでしょうか、こじんまりした試飲兼販売所には2グループの試飲客がいて、テーブル席は満席状態。それぞれ5~6人のグループで、非常に盛り上がっていました。

f:id:Oni-Taiji:20191025060217j:plain

ワイナリーの人は男性1人で2つのグループを行ったり来たりの大忙し状態。ちょっと入っていきづらい感があったのですが、せっかく来たからとりあえず尋ねてみようと「こんにちは。試飲できますか?」と声をかけたところ「いいですよ。どうぞ。」と、いうことで、入り口すぐのカウンターに場所を確保しました。

f:id:Oni-Taiji:20191025060131j:plain

男性は「バタバタしていて申し訳ない。どのワインの試飲をご希望ですか?」と英語で言いながら、A4コピー用紙に印刷されたワインリストを渡してくれました。相手が忙しそうだったこともあり、素早くリストに目を通し、ちょっと気になったピノ・ブランピノ・グリゲヴュルツトラミネールそしてピノ・ノワールをお願いしました。

試飲はピノ・ブランPinot Blanc Vieilles Vignes 2018からスタートです。

f:id:Oni-Taiji:20191025060453j:plain

Vieilles Vignesは樹齢約40年以上の古樹から造られたワインです。こちらのPinot Blancの樹齢は80年だそうです。爽やかで軽快な香りと味でピノ・ブランとしてはしっかりめな印象の口当たりの良いワインでした。

次に「このピノ・グリはちょっと甘いんだ」と言いながら入れてくれたピノ・グリPinot Gris 2017

f:id:Oni-Taiji:20191025060807j:plain

アルザスの白ワインは辛口でしっかりしていてもどかか甘みがある、というのが私のアルザス白ワイン評なのですが、このPinot Grisは甘口というわけではないけれど、確かに甘みが強めに感じられるワインでした。

「ちょっと失礼」と男性が先客の対応に戻っている間、リストを見つつワインを飲んでいると、先客2グループとワイナリーの人の会話が聞くともなしに耳に入ってきました。

それでわかったのは1つはフランス語を話すグループ、もう一つはドイツ語を話すグループだということ。ワイナリーの男性は両グループの間を行き来しながらフランス語とドイツ語の二言語を駆使してワインの説明をしていました。

我々を加えると、なんと同時並行で3か国語を使い分けてワインの説明をしていたのです。まさに八面六臂の大活躍。まあ、彼がドイツ語を話すことがわかった我々はその後、ドイツ語で説明してもらうことにしたんですけどね…。

アルザスワイン街道 お気に入りの蔵をめぐる旅

アルザスワイン街道 お気に入りの蔵をめぐる旅

 

お次は、このワイナリーが赤ワインでも良い評価を得ているということでお願いしたピノ・ノワールPinot Noir 2018Pinot Noir les Amandiers 2017の2種類が出てきました。

f:id:Oni-Taiji:20191025061244j:plain

ベリー風味の軽くてフレッシュなワイン、というのがこれまでの経験から我々が持っているアルザス ピノ・ノワールワインのイメージです。うーん、悪くはないんですよ。でもちょっと弱すぎるというか薄すぎるというか華やかさに欠けるというか、今一つ魅力を感じないんですよね。これには、どちらかというとしっかりめのワインが好き、という我々の好みも関係していると思います。

こちらのPinot Noir 2018も悪くはないんですが、我々のイメージを覆してくれるには至らず。Pinot Noir les Amandiers 2017も、樽で熟成させたぶん複雑さは感じられるけれど、こなれてないというか樽の香りにワインの香りが負けちゃっている感じ?もっと置いておくと良くなるのかもしれませんが、買ってみようという気にはなりませんでした。

その次に試飲したのがゲヴュルツトラミネール3種類で、Gewurztraminer 2018Gewurztraminer Grand Cru Sporen 2015Gewurztraminer Grand Cru Sonnenglanz 2015です。

f:id:Oni-Taiji:20191025061604j:plain

f:id:Oni-Taiji:20191025061613j:plain

3本とも、ゲヴュルツトラミネールならではのエキゾチックでインパクトの強い華やかな芳香を持つしっかりとしたふくよかなワインで、ちょっと感じる苦みも適度で心地よいものでした。

名前からお気づきのように、うち2本がグランクリュワインで、Sporenという区画(畑)で取れたぶどうを使ったワインとSonnenglanzという区画(畑)で取れたぶどうを使ったワインです。

どちらもノーマル(?)に比べ洗練されている気がしました。そして、グランクリュ2種にも明らかな違いがありました。Sporenは骨太で力強いワイン、Sonnenglanzはエレガントで繊細なワインでした。この違いは主に、Sporenが粘土質の土壌Sonnenglanzが石灰質の土壌であることによるものだそうです。

これで試飲を終わりにしようと思っていたのですが、なんだかんだでさらに4種類のワインを試飲しました。

Hephaistos Dieu des Forgerons 2017

f:id:Oni-Taiji:20191025062033j:plain

これは単一品種ワインではなく、ピノ・ブランピノ・グリそしてピノ・ノワールの3品種をブレンドしたワインです。アルザスピノのそろい踏みといったところでしょうか。

白ワインなんですが、赤ワイン品種であるピノ・ノワールが使われているのが面白いです。それぞれのぶどうの個性と旧樽熟成による香りがうまく融合して、爽やかながら力強さとコクもある美味しいワインでした。

ちなみにHephaistos(ヘファイストスというのはギリシア神話の炎・鍛冶をつかさどる神様のこと(副名のDieu des Forgeronsはフランス語で鍛冶屋の神という意味です)。

なんとお父さんが鍛冶屋さんだったところから、この名前を自分の作るワインの名前に選んだそう。(確か話の中でお祖父さんはワイン造りをしていたという話があったと記憶しているのですが、お父さんは違う職業を選ばれたんですね。)この話を聞いてこのワイナリーの名前とラベルのデザインに納得がいきました。

それからスパークリングワインのClemant D'Alsaceの白とロゼ、Clemant D'Alsace BrutCremant D'Alsace Rose

f:id:Oni-Taiji:20191025062604j:plain

白はフルーティーで軽快な感じ、ロゼはちょっと個性的でした。

そして最後がリースリングRiesling Grand Cru Sporen 2017

f:id:Oni-Taiji:20191025070021j:plain

Sporenで取れたリースリング種のぶどうで造ったグランクリュワインです。それなりに美味しかったのですが、飲む順番が悪かったのか「ふむふむ リースリングだ」という程度の印象で、正直言って、どんなワインだったのかよく覚えていないです。

Winart(ワイナート)2018年1月号 [雑誌]

Winart(ワイナート)2018年1月号 [雑誌]

 

ということで、それぞれのワインの話を聞きながら試飲を楽しんでいたら、結局11種類ものワインを飲んでいました。これでもリストに載っていたワインの半分以下です。

その中から、Gewurztraminerのグランクリュ2種類Pinot BlancHephaistosをそれぞれ3本ずつとClemant D'Alsace Brutを1本の計13本を購入し、ワイナリーを後にしました。

f:id:Oni-Taiji:20191025062813j:plain
f:id:Oni-Taiji:20191025062816j:plain

他の2グループの試飲はまだまだ続いていました。全ワインを試飲したんでしょうかね。

www.oni-taiji.com