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【アルザスワイン街道を行く】サントディール山(Mont Sainte-Odile)の旧修道院

さて今回は、アルザスの中心地ストラスブールから50Kmほど南西のアルザス・ボージュ山脈の頂、サントディール山(Mont Sainte-Odile)の旧ホーエンブル修道院(Hohenburg Abbey)を案内していきます。

聖女オディールにささげられた標高753メートルの小高い山頂にそびえるこの旧修道院からはアルザスの町々やブドウ畑、また天気が良ければ、ライン川を挟んで対岸のドイツまで見渡すことができます。

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修道院の歴史とその役割

ここに残る旧修道院の起源は、7世紀フランク公国の時代にエティコ公(Eticho)の娘オディールが、引き継いだホーエンブルク城内に修道院を構えたことから始まります。修道院中世まで女子修道院として活動しました。

現在の地名であるサントディール山(Mont Snate-Odile)修道院の創設者でありアルザス地域の守護聖人にもなっている聖女オディールに由来します。

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この施設は現在はホテルやレストランとして営業していますが、現在も巡礼に訪れる人が多く、施設内には今も礼拝堂など教会施設があります。

観光施設ではありませんが自由に敷地内に入ることが認められており、一部礼拝堂や建物内も見学できます。

修道院までの道のり

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修道院へ向かう起点は、以前にクリスマスマーケットで紹介しているオベルネ(Obernai)となります。

オベルネからは西にそびえる山々の頂の一つにこの旧修道院を見つけることができます。

ただしこれは車で向かう場合です。

バスで向かうこともできますが、その起点はストラスブールにとなります。

バスの路線番号は257ですが、冬の期間はお休み、2022年は4月15日から運行開始です。

しかも土、日、祝祭日のみ運行(午前中2本のみ)、7月と8月の観光シーズンは平日も運行のようですが、一日1本という凄まじさです。さらに予約要です。

これでもバスで行く元気のある人は是非、下記のリンクからバス会社のサイトをご確認いただき、正確なバスの運行時間をご確認の上、訪問プランを検討してくださいね。

Ligne 257 Strasbourg > Mont Sainte-Odile > Champs du feu CTBR : Compagnie des transports du Bas-Rhin

車で向かう場合、オベルネからだと約15キロを20分以上かけて上ります。かなり細い道が多いので対向車には十分注意してください。

修道院の見学

すでに記しましたようにこの旧修道院は現在、無料で開放されています。また、バスの運行に関係なく毎日朝の7時半から夜の9時まで開門されています。

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山頂に展開されるこの旧修道院は、もともとは山城をベースにしているのでまるで天空の城のようです(空からの写真が見たい方は下記のリンクからご覧になれます)。

Mount Sainte-Odile - Ottrott | Visit Alsace

観光施設ではないので入場券やパンフレット類が無いので、施設内の看板のの写真で全体像をご覧ください。入り口は南西向きで北東に向かって建物があるとご理解ください。

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それでは最初の現れる大きい建物に開いた正面の入り口から入っていきます。

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建物を潜り抜けると中庭があり、この中庭からほとんどの施設へアクセスできるようになっていました。

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上の写真の右手に見えるレリーフは第264代ローマ教皇だったヨハネ・パウロ2世(在位1978年10月16日 - 2005年4月2日)が訪問されたのを記念して造られたようです。

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この中庭の右奥にはこの教会施設としては最も大きい聖母昇天礼拝堂があります。ちょうど日曜日の訪問だったためかミサが行われており、ミサ終了後に中を見学させてもらいました。

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決して大きい礼拝堂ではありませんが、静寂な空間と祭壇が南東向きのため、強い光が祭壇側から差し込む明るいイメージの礼拝堂でした。

礼拝堂内の祭壇脇を左に進むと小さいドアがあり、回廊部分へ出ることができます。回廊に面した南東向きの部屋には聖女オディール墓礼拝堂があります。ここはまるで地下の様にひっそりとした小部屋で物音を建てるのもはばかられるような雰囲気でした。

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回廊の中に面した中には女性の像がありますが、これは聖女オディールなのでしょうか?情報が無かったように思います。ただしこの回廊部分の建物は聖女オディール館となっていました。

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それでは、建物内をさらに進み、この施設の最も奥の北東側のテラスへ向かいます。

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このテラスまで抜けると眼下が一望でき、アルザス地方の北側、東側、さらに南側方面を一気に見渡すことができます。下の写真は、眼下の町オベルネですが、よくわかりませんね(拡大すると我々にはわかるのですが、、、)。

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さて、このテラスには涙の礼拝堂(下の写真右)天使の礼拝堂(写真左)があり内装見学を楽しみにしていたのですが、コロナの影響かと思いますが、ドアは閉じられており中を見ることができませんでした(残念😢)。

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また南東にやや飛び出す感じで一段高くなっているテラスには日時計などがあり、ここからの眺めでは、この施設の南東側が絶壁になっていることがわかります。

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そしてここからはこれまで見てきた聖母昇天礼拝堂聖女オディール墓礼拝堂などがある聖女オディール館などの南東側を一望できます。絶壁の上に立つこの建物と聖母昇天礼拝堂に付随した塔の上に立つ聖女オディールの姿をご覧ください!

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下から見上げると山の頂上にあるだけに移るのはどこまでも空ばかりです。もっと天気のいい日に訪れたらきっと、もっと輝く写真が撮れるんでしょうね。

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ここからの景色を堪能したら帰り道は、この建物に沿って作られた崖ぎりぎりの歩道を通り入り口のそばの中庭に戻ってきましょう。

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途中何度も聖女の像を見上げながら崖沿いの道を進むことになります(きちんとした壁と柵があるので道は危なくないです!)。

まとめ

時間がある方は少し下にあるニーダームンスター修道院と一緒に見学されるといいと思います。そこからの上りはきついようですが、写真のような大きい岩に書かれた聖書の話や巨石だらけの山道を楽しめそうです。

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今回は、2月の訪問でしたが、幸い道路の凍結や残雪もほとんどなくたどり着くことができました。それでもここまで上がってくると気温は摂氏1度と冷え込んでおり、冬場の訪問は覚悟が必要ですね。春以降に訪問するようにしましょう(ストラスブールからのバスのありますしね)。

アルザスワイン街道を行く】はまだまだ続きます。次回も高いところからのレポートになる予定です。

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