クレタ島最大の都市イラクリオン。エーゲ海に面するこの港町は、9世紀初頭にイスラム教徒によって建設された町が起源だといわれています。
その後、クレタ島は東ローマ帝国による支配などを経て、13世紀初頭には十字軍遠征を機に地中海での勢力を伸ばしていたヴェネツィアに征服されます。
そこから1669年にクレタ戦争に勝利したオスマン帝国に領有権が移るまで、ヴェネツィアによるクレタ支配が続きました。なのでイラクリオンもヴェネツィア領時代の面影が町のそこここに残っています。
クレース要塞とオールドヴェネツィアンハーバー
中でも有名なのは、またの名をヴェネツィア要塞ともいわれるクーレス要塞(Koules Fortress, Castell del Molo)です。海からやってくる敵が市街に侵入するのを防ぐために建設されたもので、湾の入り口、港から海に突き出して延びる防波堤の上に建っています。
訪れた日が風のとても強い日で、波しぶきが霧雨状になって降りかかってくる中、防波堤を歩いて要塞まで行きました。
防波堤は要塞から更に先に延びているのですが、要塞の脇は強風に煽られた波が防波堤の上まで打ち寄せてきていたため、要塞から先に行くことは断念しました。入場料2ユーロで要塞の中を見学できます。
要塞からオールドヴェネツィアンハーバーを通って街に向かうと、城壁やアルセナリとも呼ばれるヴェネツィア時代のドック(船の建造、修理などを行うための設備)が並んでいるのが見えます。背の高いアーチ状の迫力ある建物で、修理のために船を収容する他にも火薬や武器の貯蔵庫としても使われていたそうです。
旧市街中心部
港を離れ城壁に囲まれた旧市街に入ると、お土産屋などがある通りを抜けて次第にヨーロッパらしい石造りの町並みが現れます。
まず最初に目を引くのは、中心に向かって歩くと右手に現れるアギオス・ティトス教会(Agios Titos Church)です。1856年に再建された見ごたえのある美しい教会です。
是非中にも足を運び、祭壇の美しさを見てほしいです。
教会をあとにし、さらに町の中心部に足を進めると、ロッジア(Venetian Loggia)が現れます。ヴェネツィア貴族の集会&社交所として1628年に建てられたものですが、改修を経て今でもイラクリオン市庁舎として使われています。
そして町の中心、木に囲まれたヴェ二ゼロス広場には4頭のライオンの口から水が流れるモロシニ噴水(Morosini Fountain 別名Lion's Fountain)があります。
また、上の写真の奥に見える、ほぼ建設時の姿に復元され現在は博物館となっている元サンマルコ寺院(Basilica of St. Mark)もヴェネツィア統治時代の建造物で、1239年に建てられ長い間中央大聖堂としての役割を果たしていました。
さらに歩を進めると、ヴェネツィア時代の建物ではありませんが、イラクリオンの守護聖人を祀る聖ミナス大聖堂(St. Minas Cathedral 1895年完成)も見ごたえのある美しい教会で、おすすめスポットです。
夕食のレストラン Peskesi
イラクリオン旧市街散策時に夕食を食べたのがクレタ料理レストラン Peskesi。宿の人に教えてもらったおすすめレストランです。
18時頃に行ったところ既に席はかなり埋まっていました。
駄目かなと思っていたのですが、「20時から予約が入っている席があるのですが、それまでに食べ終えて頂けるならそこにどうぞ」ということで、運よくテーブルをゲットすることができました。
素材にもこだわったちょっとおしゃれなクレタ料理のお店で、村のレストランに比べると値段は少々お高めでしたが、どれも美味しかったです。
こちらも村のレストラン同様、パンは有料でした。こだわりの自家製パンがオリーブオイルとともに供されるということで、興味は惹かれたのですが、それでお腹が一杯になりそうだったので今回はパス。
クレタ的おもてなしの無料デザートと食後酒のサービスに加え、食事中のお水も無料で出てきたのが嬉しかったです。
夜の散策とまとめ
食後は再びライトアップされた旧市街を一通りぶらぶらしてイラクリオン旧市街観光を終了しました。
もちろんイラクリオン考古学博物館にも行きましたが、博物館見学については後日クノッソス宮殿見学と一緒にレポートしたいと思います。博物館の見学と食事を含め、イラクリオン散策に費やした時間は5時間弱だったでしょうか。
そうそう、車は港の駐車場に止めたのですが、この日は日曜日ということで駐車料金は無料でした。ラッキー!
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