今週のお題「夏休み」
さて、今年も7月、私にとってはツール・ド・フランスの季節となります。初めて生で観戦したのは89年の最終日パリのシャンゼリゼで。
今は亡きフランスの”プロフェッサー”ことローラン・フィニョンが”ヤンキー上陸”と罵られていたアメリカ人のグレッグ・レモンに最終日の個人タイムトライアルで逆転優勝を許してしまうという、フランスにとっては忘れることのできない大事件!の真っただ中にいました。
あれから丸30年、今年はベルナール・イノー以来のフランス人総合優勝の可能性が高まっている中で第18ステージから20ステージまでのアルプスステージに応援に向かいました。
第18ステージコースまでの道のり
毎年のことですが、数か月前からコースを吟味し、週末を絡めていけそうなステージを探します。日程が決まると次はステージ内のコースのどこに向かうか?
基本的に車移動なので、できるだけコースわきに車を止めて楽がしたい!でもできるだけ良さげな場所で見たい!ということで、フランスアルプスの山岳ステージを目指します。
多くの山岳ステージで、ある程度の時間帯以降はそのエリアへの車の侵入が禁止されるため、遅くとも朝の6時までには行きたいエリアに入り、場所を探しています。もちろん、超メジャーなゴールエリアはこの時間では全く無理なので、一つ二つ手前の山を目指します。
ということで最初の日の目的地を決めて前日の夜に自宅を出発!おそらく8-9時間で目的地に到着できるはず(実際に到着できたが、夏休みシーズン=高速道路の工事、でだいぶ痛い目にあいましたが)。
この日の最後の山、ガリビエ峠(Col du Galibier)へ向かう途中にスペースを確保しました。道中、フランスの名峰、ラ・メイジュ(La Meije)を撮影。
観戦用基地確保!
あまり人ごみに車を止めて観戦するのは好きではないんで、峠からやや下って、人もまばらなエリアを探して駐車。早速日除け用のテントを設営、折り畳みの椅子をセットして場所の確保完了。
このまま、スポンサー企業による宣伝パレードとレースの集団をひたすら待ちます。
この日の予定では、宣伝パレードの到着は14時15分ぐらい、レースの集団の到着は16時ごろとなっていました。日中の基本予想は30度以上!もちろん車の中で待つなんて言うのは不可能なので、日除け用のテントにピクニック用のマットを引いてゴロゴロして時間をつぶします。徹夜で走ってきたのでそのまま寝たり、Kindleで本読んだり、カメラで周りの山を撮影したり。とにかく暇です。
ガリビエ峠のほうを撮影。
テントそばの草花を撮影。
南の山の上空には月。
そして気になるトイレですが、そんなものはもちろん無いので、山に消えていく人、谷に消えていく人が後を絶ちません。
また日焼け止めは安全のために絶対必要です。日除け用のテントで直射日光は避けられますが、紫外線は無理!私も何度も痛い目にあいましたが、今年はしっかりと足の指まで塗り込み、新しく買った日焼け止めの効果に期待をかけました。被害が多いのは膝、足首、サンダルから皮膚が見えている足の甲などです。この辺を無防備にしておくと翌日、歩くのも大変なぐらい強い日差しにやられます!
やっと宣伝パレードの到着!
家内はテントの中でひたすら爆睡しているので、私は一人、本を読んだり、外に出て椅子に座って山を眺めたりを繰り返し、ひたすら時間が過ぎるのを待ちます。毎度のことで退屈ですが、それなりにぜいたくな時間の使い方ですね。
そしていよいよ宣伝パレードの到着です。
今までどこにいたのかと思うほど沿線に人が出てきます。各スポンサーから投げられるお土産グッツを手に入れるため道路沿いにまんべんなく人が張り付きます。
そんでもって、応援用の帽子、Tシャツ、旗から、菓子類、キーホルダーなどなど、飲食可能なもの以外は、持って帰ると処理に困るものばかりですが、ばらまかれると本能的に拾ってしまいます。それもかなり夢中に!
それだけに、人が多いところでは争奪戦に!大の大人が大人気なく夢中になって拾いまくります。
それが過ぎ去って大体1時間半から2時間でレース本体が来ます。
やっと今日の主役登場!
待ちに待った本体の登場。その前触れはヘリコプターです。初めて来たら驚きますが、突然上空から山の下方から5-6機のヘリ(テレビ局のヘリ+α)が現れるとその下にはレースの主役たちが走っているということ。ヘリの音がしだしたら皆、日陰やパラソル、テント、キャンピングカーから姿を現し、応援の準備。
物々しいほどの警察車両や関係者車両に続いて、選手たちが現れます。
それに続きこの日の先頭集団が現れました。
その後ろ、山岳賞ジャージ(maillot blanc à pois rouges)を着たT. Wellens(LOTTO SOUDAL)
メイン集団現る!
3番手には、この日はまだ新人賞ジャージ(maillot blanc)を着ていたE. Bernal(TEAM INEOS)がいます。
集団内には、リーダージャージである黄色いジャージ(maillot jaune)を着たJ. Alaphilippe(DECEUNINCK-QUICK-STEP)の姿も。
フランス人の期待を一身に背負っています。すごいプレッシャーの中で戦っていることでしょう。
そして集団の後には各チームカーが続きます。
さらに遅れている選手が通り過ぎていき、実際に観戦しているのは30分程度だと思います。
最後に。
最後に再び警察車両がレース集団が過ぎ去ったことを伝えます。周りでは撤収作業が始まり、各々、次のコースへ移動するキャンピングカー、宿泊先へ移動する人、そのままここでキャンプしそうな人、家路につく人、乗り物も車、バイク、自転車、または徒歩。
長い一日が終わり、我々も撤収作業終了後に明日のコース上にあるホテルを目指して2時間ほど走ることになります。
それでは、続いて翌日第19ステージの様子を書いてみます。
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