旅で重要なのは、観光での移動。
その町の公共交通機関を上手に使えれば、効率よく動き回れる。
今回は、イスタンブールを観光するうえで欠かせない、公共交通機関での移動に関してお知らせします。
大都市イスタンブールでは、メトロ、トラム、バス、そしてフェリーが公共交通機関として市民や旅行者の強い味方になっています。
その乗り方や、料金システムなどを理解しておけば、とても安く、便利にこの町を楽しむことができますよ。
イスタンブールカード(Istanbulkart)
市内で公共交通機関を利用するには、もちろん一回一回チケットを購入することもできますが、やっぱり少し面倒。
そこで、とても便利に利用できるのが、このイスタンブールカード(Istanbulkart)です。


イメージとしては日本のSuicaを思い浮かべてください(ただし買い物などには使えません💦)。
何種類かあるようですが、旅行者は無記名のカードでOKと思います。
チャージ式のこのカードがあれば、公共交通機関すべてで利用可能となります(もちろん一回ごとにチケットを買うより安く済む)。
このカードは公共交通機関の乗り場にある黄色い券売機で購入ができます(同じ機械で一回券、イスタンブールカードの購入、カードへのチャージが行えます)。
この券売機には、複数の言語対応となっており日本語にも対応しています。
また現金のみ、またはクレジットカード対応の2タイプがありました(Exchangeの手数料を避けたく購入、およびチャージは現金のみで行いました)。
カード購入時のデポジットは60リラ(約3.00ユーロ:2022年末時点では50リラで20%のアップ)、カードを返却することでデポジットの返金が可能なようですが、申請書の準備や申請書の提出など外国人にはハードルが高そうです(我々も行っていません)。
また、この券売機、お釣りが出ません💦
そのため、60リラのカードを購入するために100リラ入れると、自動的に差額の40リラがカード上にチャージされます。
- メトロ、トラム、バス、フェリーなどの乗り継ぎにも一枚のカードで利用ができる(毎回チケットを購入する必要がない)
- 一枚のカードを複数名で利用できる(5名まで)
- 一回券より乗車料金が安く、同一方向への移動での乗り換えではさらに割引料金が適用される(乗り換えの度にチャージは発生します)
- 事前にある程度チェージをしておけば、小銭を気にせずに公共交通機関を自由に利用できる
イスタンブールの公共交通機関ではメトロやトラム、フェリーには改札口があり、日本と同じようにカードをタッチすることでゲートを通過できます。
その際に、引き落とされる金額と残高が確認できます。
バスの場合は、一番前のドアから乗り込み、機械にタッチして乗り込みます(後ろから乗っても機械は無い)。
2018年の時も2022年の年末も、このカードを利用して市内を自由に行き来していました。
インフレに苦しむトルコでは値段の上昇が激しく、過去の金額情報はほとんど役に立ちませんが、ユーロや円に換算すれば引き続き割安感は大きく、それほど出費を気にしなくても自由に利用できます。
またGoogle Map上の運行スケジュールを利用して計画を立てましたが、これもほとんど問題なく利用できました。
乗車料金について
2023年1月になり、年始の値上げにより既に我々が利用した2022年末の料金と異なっているようです。
ここでは、現在2023年1月時点で確認ができた料金をベースにお知らせしていきます。
まず市中の券売機には黄色と青の機械があります。
見かける機械のほとんどは黄色のタイプなので、それをベースに話を進めます。
受け入れてくれる紙幣は、5, 10, 20, 50, 100リラのみです(青い機械は200リラの紙幣も)。
お釣りは出ません(青い機械では出るようですが、20リラ紙幣のみとの情報あり)。
そのため、投入した紙幣はすべてチャージされると考えてください。
初乗り料金は、バス、メトロ、トラム、フェリー、ケーブルカーどれも9.90リラ(約0.50ユーロ)となったようで、我々が訪れた2022年末より2リラ程度値上げされています(約25%もアップしています)。
また、乗り継ぎの場合、割引料金が適用され、最初の乗り換えでは7.09リラ、2回目の乗り換えでは5.38リラ、3回目の乗り換えでは3.40リラが引き落とされます。
上記料金の適用は同一方向への移動の際に適用されるようですが、正直言ってよくわかりません。
また、ヨーロッパとアジアを結ぶメトロバスやMarmaray地下鉄は初乗り料金が異なるので注意が必要です(Marmaray地下鉄は短距離の移動の場合、カードへの返金も受けられる)。
モデルルートの紹介
イスタンブールの公共交通機関の特徴として、イスタンブールカードを利用している場合、乗り継ぎが増えるとその都度、料金が発生します(一回券を利用している場合も乗り継ぎの度にチケット購入が必要)。
つまり、特定の目的地に向かう場合、乗り継ぎの少ない方法で移動するのがお得となります。
イスタンブールは世界を代表する大都市なので公共交通機関が網羅している範囲も非常に広範囲にわたります。
そして、乗り換えが無ければ、一駅でも終点まで乗っても同料金です!
ヨーロッパ側とアジア側をフェリーで移動
ヨーロッパ側の旧市街側の船着き場エミノニュ(Eminönü)または金角湾を挟んで対岸のカラキョイ(Karaköy)からアジア側のカドキョイ(Kadıköy)へ約20-30分程度のフェリーでの移動。
我々も何度も利用しているルートでアジア側のにぎやかな町カドキョイ(Kadıköy)へ遊びに行く際にいつも利用しています。
ボスポラス海峡を横断するこのルートは、ヨーロッパとアジアの境目!
両岸の景色や行きかう船を眺めながら気分だけはクルーズです!
片道料金は初乗り料金だけなので、2023年1月時点では9.90リラ(約0.50ユーロ)。
旧市街の Sultanahmet 駅から新市街のタクシム広場(Taksim Meydanı)まで
このルートでは選択肢は2つ。
一つはトラム1に乗り金角湾にかかるガラタ橋を渡り、終点のカバタス(Kabataş)へ移動、そこでケーブルカーに乗り、丘を登りタクシム広場へ。
または、同じトラム1に乗り旧市街内で移動、イスタンブール大学前でメトロ2に乗り換えてタクシム広場へ。
この場合、どちらのルートでも乗り換えが発生しているので初乗り料金だけではいけないことになります。
ボスポラス海峡を北上し黒海の入り口まで
少しでも長く船での移動を楽しみたいのであれば、このコースがおススメ。
なんと、定期船のフェリーでボスポラス海峡を北上し、黒海のすぐ手前まで。


公共交通機関であるフェリーで1時間半以上ものボスポラス海峡クルーズを楽しめます!
このルートもイスタンブールの公共交通機関の範囲のため、また乗り換えなしということで、片道9.90リラ(約0.50ユーロ)で乗れます。
定期船なので途中途中でいろいろな船着き場に寄りながらのノンビリクルーズですが、ボスポラス海峡の美しい眺めや次々に現れる町々、さらにヨーロッパとアジアを結ぶ2つの大橋をくぐって進みます(3つ目の大橋の手前で終点、その先は黒海)。
まとめ
イスタンブールにはこれ以外にも様々なサービスとセットになった滞在期間に応じたプリペイドカードなどもありますが、費用的にはかなり割高に感じました。
我々は6日間の滞在で、カード取得のための初期費用50リラ+50リラのチャージを3回行ったので、合計200リラ(約10ユーロ:約1400円)となりました(空港への移動は含みません)。
一日に何度も利用したし、間違って乗車して幾度となく無駄に費用が掛かりましたが、それでもこの程度の額でずいぶん楽しませてもらったと思っています。
今回は旅の一つの選択肢として、旅行者向けのカードではなくイスタンブールの市民も利用しているイスタンブールカード(Istanbulkart)を紹介しました。
皆さんの旅の参考になれば、と思います。
※一部のサイトでイスタンブールカードの利用時に個人を認識するためのHES Codeの登録の必要について説明しているようですが、すでに2022年3月時点で廃止されているので、なんの事前登録も必要なく、無記名のカードを取得できます。