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ヨーロッパ発信の旅行関連情報

ANA・プレミアムエコノミークラス・フライトレビュー

2021年末に一時帰国することになりましたが、重大な問題が一つ。コロナ禍に伴う減便で関西国際空港行きの便が大分減ってしまい、ルフトハンザ・ドイツ航空の便も運休になってしまいました。ヨーロッパで乗継をするのであれば、Air France / KLM、Finnair等が定期的に便を運営していますが、私は年末までにエーゲ航空のゴールドステータスの延長を果たす為に5000マイル必要だったので、スターアライアンス航空会社の便がないか、と調べていました。

なお、コロナ禍での一時帰国体験については別記事を書きましたので、そちらも是非ご覧ください!

www.oni-taiji.com

フライト情報

そこで、全日空が12月16日のみ運営のフランクフルト→関西国際空港行き(FRA - KIX)の臨時便を発見した時は、即予約しました。ルフトハンザも関空行きの便が運休中の為、これが唯一のドイツ発、関空行き直行便になりました。

便名はNH1926(現地時間20:45発16:35着)、機材はボーイングB787-9でした。飛行機の登録番号はJA873Aとなんと、スターウォーズ塗装の飛行機でした。マニアとしては少し喜びました(笑)

サービス概要

全日空のプレミアムエコノミーは名前通りビジネスクラスよりはエコノミークラスに寄っており、簡単に言ってしまうと座席だけが良くなり、それ以外のサービスはエコノミークラスと同じ、という感じでした。

とはいえ、幾つかの追加サービスはありますので、以下に記しております。

  • ANAラウンジ(「出発前のサービス」で詳しく説明しております)
  • 専用チェックインカウンター(恐らく日本のみ、フランクフルトには無)
  • 優先的な荷物の扱い(到着後、荷物が出て来るまでの時間が短くなります)
  • 食事と食事の間はビジネスクラスのお酒が飲める
  • 追加アメニティ(スリッパ、歯ブラシ、アイマスク等)

出発前のサービス

フランクフルト空港には全日空のカウンターがあり、出発時間三時間前からチェックインが可能でした。こちらにはプレミアムエコノミーの乗客用の列は無く、エコノミークラスと同じ列に並ぶことになりました。

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私はスターアライアンス・ゴールドステータスのお陰でビジネスクラスの列を使うことが出来ましたが、エコノミーの列もそう長くなく、30分以内にはチェックイン出来る、といった感じでした。

全日空はプレミアムエコノミーだとラウンジ使用権があるのですが、これはANA運営ラウンジに限りますANAラウンジという物はハワイ・ホノルル以外は日本国内にしかなく、勿論このドイツ発の便もプレミアムエコノミーの乗客として使えるラウンジはありませんでした。日本発の便に乗る時は、ANAラウンジに入れるので、まあ良しとしましょうか(笑)

搭乗

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全日空はグループ分けを使った搭乗法を利用しています。

ファーストクラス及びANAマイレージプログラムの最上級ステータスの持ち主がグループ1,ビジネスクラス及びスターアライアンス・ゴールドの乗客がグループ2になります。グループ3以降はプレミアムエコノミー、エコノミークラスの乗客に振り分けられますが、具体的なシステムは分かりません。

まずは体の不自由な方、子供連れの家族が呼び出され、その後はグループ順の搭乗となりました。この辺は最近ならどの航空会社でも似たようなシステムですね。

座席紹介

今回のボーイングB787-9には、プレミアムエコノミーは3列搭載されており、2-3-2となっております。合計21席と結構こじんまりしたキャビンです。

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配置は予想通りビジネスクラスとエコノミークラスの間で、両側に仕切りがありました。ビジネスクラス方面はフライト中はカーテンが閉められましたが、エコノミークラスの方はカーテンが無く、行き来は自由でした。

シートはANA特有の物で、他の航空会社で同じシートを使っている所は無いと思います。全日空の最新モデルのシートは今のところB777-300ERとB787-10にのみ搭載されているので、このフライトのシートは一世代前の物となります。

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ピッチは38インチ座幅は19.3インチとなっており、エコノミークラスよりピッチが4インチ、座幅が2インチ多くあります。なので、前の背もたれが倒れていない状態ではとてもルーミーで窮屈な感じは一切しませんでした。

座席にはレッグレストフットレストも装備されており、くつろぎやすかったです。エンターテインメント用のモニター下にネットが設置してあったお陰で、収納に困ることもありませんでした。

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ただ、エコノミークラスのシートよりも背もたれが倒れるので、リクライニングすると

後ろの人は急にスペースが減ってしまった様に感じると思います。特にレッグレストを出していると、脚が長い方は狭くなってしまうと思います。最後列のシートの後ろは壁があるので、気を遣わずリクライニングすることができます。最前列では、前から座席が倒れることがないので、脚のスペースが確保できると思います。その代わり、足を前の座席の下に入れることができないので、一長一短ですね。

機内のサービス

ルフトハンザと違い、プレミアムエコノミーでは搭乗後に飲み物は出ませんでした。その代わり、パーサー(キャビンアテンダントのリーダー)が一人一人に挨拶して回っていました。

搭乗時、シートには枕とブランケット(いずれもエコノミークラスの物)が置いてありました。アメニティーキットはありませんでしたが、CAがアメニティーが揃っている箱を持って回り、各自欲しい物を選ぶことができました。この方法は自分が必要な物だけ取れて、ゴミも減りますし、賢いな、と思いました。アイマスク、歯ブラシ、イヤプラグ等のグッズは全て揃っていたので、特に不満はありませんでした。

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シートポケットにはヘッドフォン、そしてスリッパが用意されていました。

一つ改良点があるとしたら、それは食事サービスの速度だと思います。ヨーロッパから日本行きの便に乗ると、オーバーナイトのフライトになるので、寝たい方が多いと思います。そこで、最長の睡眠時間を確保するためには迅速なサービスが必要です。

航空会社に寄っては、離陸一時間後にはサービスがもう既に始まっていて、離陸二時間後までには終わっているというパターンもあります。それに対し、今回のフライトでは食事サービスが終わり、消灯となったのは離陸三時間半後辺りでした。

私はあまり寝ないタイプなのであまり気になりませんでしたが、時差ボケ防止の点でも、乗客が出来るだけ睡眠をとれる様にするのは大切だと思います。

この便は出発が20:45で到着は現地時間の16:45と少しイレギュラーではありますので、あまり寝ない方が良いかもしれませんね。その点では、他の早朝に到着する便等は扱いが違うのかもしれませんね。

食事(機内食

食事はエコノミークラスと同じ料理が出ました。

離陸後はまず飲み物とスナックが出ました。このR2D2のナプキン、めっちゃ可愛くないですか?(笑)

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食事の時、全日空を経験済みの方はご存じだと思いますが、CAが写真付きのメニューカードを持っており、それを見ながら洋風と和風の料理のいずれかを選びます。プレミアムエコノミーに一つ利点があるとすれば、それは順番待ちが無く、自分が食べたい物が選べること、でしょうかね。

私のフライトでは和風料理はビーフカレー、洋風はチキンソテーでした。日本の味に飢えていた私は勿論ビーフカレーを選択しました(笑)

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メイン以外に、サラダ、うどんと一口サイズの小さいおかずが四種(サーモン、ポテトサラダ、ブロッコリー、ひじき)付いていました。

まあまあの味でした。普通食べるカレーライスとは少し味が違いましたが、決して不味いわけではなく、肉もしっかり入っていて満足できました。おかずも悪くなかったです。

食事を配ると同時に、飲み物も出ました。食事を配ってから飲み物を配るシステムと比べて、待たずに食事をしながら飲み物があるのは有難いです。その代わり、サービスの速度が幾分か落ちてしまいますが、それは仕方ないと思います。

私は冷たい緑茶を頼み、一気に飲み干してしまいました。ドイツに無い味で、幾らでも飲めそうな気がします(笑)

食事にデザートが無いな、と思ったら食後にCAがバニラアイスを配りに来てくれました。冬なのでアイスはあんまり、と思う方もいるかもしれませんが、飛行機の中は結構暖かく、美味しく食べることができました。

二回目の食事の時も洋風と和風の選択肢があり、私はまた和食にしました。

メインの料理は二色丼、それにヨーグルト、フルーツとウェハースを使ったお菓子と比較的軽めでした。

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こちらもそこそこ美味しく、満足でした。但し、プレミアムエコノミーでビジネスクラスの食事を出す航空会社に比べると一歩劣っているのは事実です。

まとめ

プレミアムエコノミーは中々難しいカテゴリーですね。エコノミークラスのスペースでは窮屈だ、リクライニングが足りないなど思う方には向いていると思いますが、サービス面ではエコノミークラスとあまり変わらないことから、誰にでもお勧めできるか、ときかれたらイマイチ、ですね。

私がチケットを取った時、エコノミークラスとプレミアムエコノミーの値段差は300ユーロ程でしたが、これが許容範囲の限界だと思います。値段差がこれ以上ある場合は、余程エコノミークラスを窮屈と感じる方以外にはお勧めできません。200ユーロまで程の値段差で取れるようでしたらお得だと思います!

私はこの度プレミアムエコノミーで貯まるマイルエーゲ航空では、エコノミー飛行距離50%に対し100%)が必要だったため、全日空のプレミアムエコノミーを試すことにしてみましたが、この様な理由が無ければもう使うことは無いと思います。