さて、ウィンザーと言えばイギリス王室ウィンザー家の居城といってもいい、ウィンザー城がもっとも有名な観光ポイントです。
今回は、このウィンザー城にスポットを当ててお話させていただきます。
ウィンザー城の歴史
ウィンザー城は今でもエリザベス女王が週末をここで過ごしたりと、実際に居城として利用されているお城です。
11世紀にウィリアム1世により作られ、幾度の増改築を繰り返して現在の姿になりました。場内はロウァー、ミドル、アッパーの3構造に分かれており、ミドルの部分が最も古いようです。
上のアッパー・ウォード(Upper Ward)には、庭園を囲むように王室の建物が配置されており、賓客の間、儀式の間、国王・女王の居間や寝室があります。
ステート・アパートメンツ(15)は、1824年から1866年の間に、イギリス王ジョージ4世、ウィリアム4世とイギリス女王ヴィクトリアのために建てられました。
また1820年ごろ、ジョージ4世は、ステート・アパートメンツの大規模な改修を行い、現在のゴシック式の城となりました。
このステート・アパートメンツは1992年11月20日の大火災で炎上し、現在のその姿はその後の修復作業によるものです。当時、テレビで煙の上がるウィンザー城を見られた方もいることと思います。
ウィンザー城へのアクセス
まず、ウィンザーへのアクセスに関しては、下記の記事をご覧ください。
利用される交通機関次第で到着場所も異なることと思いますので、ウィンザーに宿泊して徒歩でアクセスされる方以外を想定してお知らせします。
下のマップ上で、赤い丸は列車で到着される際の駅となります(Windsor and Eton Central駅とWindsor and Eton Riverside駅)。また青い丸はバスで到着される際のバス停となります(Barclays BankとParish Church)。もともと小さい町なので、最も離れているWindsor and Eton Riversider駅からでも徒歩10分程度です。
チケット売り場とお城への入り口は同じ場所になるので、行列を探していただければすぐにわかります。
訪問日によっても様々と思いますが、私自身が訪れた過去3回の経験では、開場前にはすでに行列ができており、すぐにわかると思います。
お城の入り口に通じる道には、今もビクトリア女王の銅像が立っています。
ウィンザー城の観光(チケットの購入)
まずは下記のサイトで事前にオープニング時間、開館日、入場料をご確認ください。
私たちのウィンザー到着日は1月1日で、さすがに休館日でした。事前に2日からは通常通りに開館していることを調べてあったので、今回の旅行先に決めた経緯もあります。
現時点での入場料は23ポンド(一般)となっています。
ただし、このお城、現在も王室により利用されているためステート・アパートメンツに入れない日もあるようです。その場合の入場料は12.9ポンドとの事。
チケットは当日並んで購入することもできますが、訪問日が決まっているのであれば、上記のサイトで購入されることをおすすめします。長蛇の列を横目にすぐに施設内に入れます(その後、セキュリティーチェックがあるため、それなりに待たされますが、チケット購入のための時間を節約できます)。
インターネットで購入したチケット(PDF)は日付指定のみで時間指定はありません。開場時間後すぐはかなり込み合うようで、公式サイトでも昼過ぎの訪問を推奨しています(でも午前11時に衛兵交代があるんですよね)。
またインターネット上で購入したチケットは最初の訪問時に1年間有効なパスに切り替えが可能です。
そのためには、PDFのチケットをプリントして持ち込む必要があります。もし一年以内に再訪の可能性がある方は事前にプリントして持って行ってください。出口でプリントしたチケットに自分の名前、サインを入れ、スタンプをもらえば、下の写真のように一年有効のパスになります。
私たちはこれをうまく利用して、2日連続でお城見学を行いました。
2回目からは、上記のパスになったチケットを持って行列に並ぶことなくチケットカウンターに入れてもらい、その日のチケットを別途入手して入場します(チケットにはしっかりとRepeat visitと書かれています)。
ウィンザー城の観光(一般的観光コース)
さて、これからご紹介する観光コースは私たちが行った廻り方なので、決定的なものではありませんが、参考にしていただければ幸いです。わかりやすいように番号を地図の上に記しました。この先番号に沿って説明と写真を上げていきます。
ウィンザー城の観光(見どころ紹介)
チケット売り場、入場口を過ぎるとセキュリティチェックがあります。イメージとして飛行機に搭乗する前のセキュリティチェックを想像してもらえればと思います。終了後、やっと入り口施設を抜け、場内に入ることができます。
オーディオガイドのレンタル①
まず、ここで無料で貸し出されるオーディオガイドを借りておきましょう。日本語でのガイドもあり便利です。
そしてここは城壁外ですが、もうお城の敷地内です。このままCastle Hillという道を進み、エドワード3世塔を目指します。
セントジョージ門②
城門をくぐり城壁内に進むとセントジョージ門が見えます。この門の内側がちょうどUpper Wardの内庭となります。
門の浮間から中を見ると、チャールズ2世の騎馬像が見えます。奥の建物は、あとで見学に向かうステート・アパートメンツの一部となります。
ウィンザー城の資料館③
セントジョージ門から折り返すように城壁の内側に沿って歩き出すのウィンザー城の歴史に関する資料館が右手に現れます。
中に入ると壁一面に大きなディスプレイが連なり、お城の歴史やデザイン、美術に関する説明を見ることができます。またもちろんオーディオガイドで日本語の説明が聞けます。
中央には1377年当時のウィンザー城の模型が展示されています。


城内観光の中間地点④
このポイントに来るとちょうど城内の真ん中に当たり四方すべてを見渡すことができます。まずどうしても目に入ってくるのがこのお城のシンボル的存在であるラウンドタワー(The Round Tower)。
このお城は現在もロイヤルファミリーによって利用されており、エリザベス女王が滞在しているときには、このThe Round Tower(ラウンドタワー)の上に王室旗が現れます(普段はご覧のように英国旗)。
現在も週末はここで過ごすことがあるそうです。
またこのタワーの回りは庭園になっております。
この場所から歩いてきたほうを見ると入り口から見えたエドワード3世塔が見えます。
また、Lower Wardの方を見るとセントジョージ礼拝堂(St. George´s Chapel)を見ることができます。最近ではハリー&メーガンが挙式を上げたところとして有名です。
ここからまず礼拝堂やその先で行われる衛兵交代を見るか、または先にステート・アパートメンツを見るかを選択できます。
我々は私の判断ミスで先にステート・アパートメンツに向かい、そこでかなりの時間を費やしてしまい、衛兵交代を見逃しました。そのリベンジもあり、翌日も入場しましたが、その日は衛兵交代なしとの事。完全に見逃しました。一年の余裕があるので、また来なければなりません💦
北テラス⑤
ステート・アパートメンツへ入るためには一旦、北テラスに抜けて進む必要があります。このテラスからはお城の北側の風景が見れます。すぐ下には、Windsor and Eton Riverside駅やテムズ川を挟んでイートンの町を見ることができます。
ステート・アパートメンツ⑥
北テラスよりウィンザー城観光の目玉、ステート・アパートメンツに入っていきます。なぜかこの際に改めてチケットの確認が行われます。
そして室内は完全に撮影禁止となります。
ここは現在も国家行事などで利用されているエリアのため、撮影禁止は仕方ないのかもしれません。プライベートエリアとも接しています。
まず最初に見れるのはメアリー王妃のドールハウス。豪華で精密で驚くばかりです。老朽化も進んでおり修復の後もあるようですが、かつては電気も水も流れていたミニチュア。すべてが職人により精密にミニチュア化された、もうこれは美術品です。
さらに最も豪華な晩餐会などで利用されるセント・ジョージ・ホール(火事の後、再建された)、Prince of Wales Tower(ここから火が出たという事)なども通り、ジョージ4世のプライベート・アパートメントも見て回れます。
また、ステート・アパートメンツ内は世界一といわれるバロック・ジョージア風のインテリアで飾られ、さまざまな秘宝の展示や、ルーベンスやファン・ダイクなどの絵画なども飾られています。
オーディオガイドを有効活用して、ゆっくり見学することをお勧めします。また是非下記のリンクから中の様子をご覧ください。
ステート・アパートメンツ出口⑦
ステート・アパートメンツの見学が終わると出口に小さい広場があり、そこから改めてUpper Wardの内庭やチャールズ2世の騎馬像、さらに見上げるようにラウンドタワーを見ることができます。




ノルマン門(Norman Gate)⑧
私たちの観光ルートではステート・アパートメンツの観光ののち、このノルマン門をくぐって再びMiddle Wardの中間点に戻ってきます。
Image by Andreas H. from Pixabay
またここから、改めてラウンドタワーをめぐる内庭を見ることができます。手入れはしっかりしており、女王もここを見て歩くのでしょうかね。
ラウンドタワーは中庭に囲まれた小山の上にあります。塔自体が高いというより小山の上にあることでシンボル的な雰囲気がより強くなっているような気がします。
セント・ジョージ礼拝堂⑨
さて、ここからもう一つのウィンザー城観光の目玉、セント・ジョージ礼拝堂についてお知らせします。
こちらもステート・アパートメンツ同様、内部の撮影は認められていません。
この礼拝堂はウィンザー王家の礼拝堂であり、代々の国王やその家族が葬られています。また日々の礼拝にも、入場者であればだれでも参加可能です。
入り口にはいろいろな言語のパンフレットが置かれており、日本語のパンフレットもあります。
ここでも観光にはオーディオガイドがとても役に立ちます。残念ながら展示についている番号とオーディオガイドの番号があっていないなど、おそらく日本語のガイドはきちんとしたアップデートが行われていないのかもしれませんね。
順路は決められており、さまざまな小礼拝堂や歴代の王やその家族の墓(まるで歴史の本みたいです)、英国ゴシック様式の身廊や祭壇、大回廊などかなりの時間をかけてもゆっくり見たくなる内容たっぷりの礼拝堂でした。
またここは、ガーター勲章受章者の席とその後ろには家紋や旗印が飾られています。
たしか、ウイリアム王子も最近、ここに席を得たと聞いたような気がします。
そしていったん外に出たら忘れずに礼拝堂正面に回ってください。
兵兵の交代式が行われる広場の横から門をくぐると小さい半円形の広場に出ます。
ここで振り返ると礼拝堂のファサードを見ることができます。もちろんこの礼拝堂は何度もロイヤルウェディングにも利用されています。最近ではハリー王子の結婚式ですね。
衛兵交代の場所⑩
さて礼拝堂の横を進み出口のほうへ進むと衛兵が一人で警備しています。
本来はここで衛兵の交代式が見えるはずでした。それに冬だからか衣装も赤くないんですね。
本来はきっとこんな感じだと思います。次回に期待します!
Image by LucieLucy from Pixabay
出口
ここで借りていたオーディオガイドを返却します。同じ場所ですでに書きましたが、ネット購入したチケットを提示し、名前と署名を書き加え、スタンプをもらうと年間パスとなります。
そして出口に当たるヘンリー8世門をくぐり場外へと向かいます。
城外から見たヘンリー8世門はこんな感じです。すごくごついですね。
まとめ
見学時間はそれぞれのご興味で異なることと思いますが、我々は、約3時間を費やしました。さらに翌日も訪問し同じルートを回りましたが、やはり3時間弱の時間を要しました。
また、城内のトイレはステート・アパートメンツの中のみなのでご注意ください。
お土産コーナーは各所にあり、これも結構楽しめました。もちろんそれなりに値段はしますが、見ていても楽しいし、たぶん、ここでしか購入できないものもあるように思えました。悩んだ結果、購入したのは歴代のイギリス王のややコミカルな姿が描かれたマグカップ。
さて、とんでもなく長くなってしまいましたが、あまり分割したくなかったので一つの記事にしました。ウィンザー城訪問のヒントになれば幸いです。
ウィンザーの観光に関してはまだ続きます。