2020年は旅を趣味にしているものにとって、とても厳しい年になってしまいましたね。1月後半にはすでにドイツ・ミュンヘンで新型コロナウイルス感染者が出ましたが、3月になるまでは、まさかこのような事態になるとは予想できないほど、欧州全体が緩んだ考えでいました。
規制解除後の欧州
欧州では各国の外出規制等の成果もあり、6月中旬ごろより移動の制限が緩和されていき、私たちも国内の週末旅行から活動を再開しました。
その後も引き続き感染者は出続けていますが、現時点では第二波と呼べるほど蔓延してはいません。また周りの人々の考え方もまちまちで、夏の休暇を欧州内の他国へ出かける人、ドイツ国内旅行をする人、休暇は取るが旅行には出かけない人など。『休暇旅行命』というイメージのあるドイツ人ですが、国の渡航自粛要請もあり、流石にこの夏は飛行機で長時間かかる地に行く人は限られていそうです。
そんな中、果たして旅を本格的に再開すべきか迷いつつも、自動車での移動であれば、移動での感染リスクは低いことや、我々の旅の目的地が必ずしも人が密集する場所ではないことを理由に、急遽4日間のプロヴァンス旅行を決めました。
旅の始まり
片道950キロの移動のため、ややきつい旅になりますが、ローヌワインやオリーブオイルの買い出し、夏の食材などに惹かれて新型コロナ蔓延後初めて国境を超えることにしました。
ドイツ・フランス間の国境が開かれていることは間違いないのですが、事前の確認では、場合によっては国境での検問などがあることもあるようで、ややドキドキしながらの出発でした。
4日間を有効に使いたかったので、1日目の到着時刻を早めるべく、前日の夜10時過ぎに出発して徹夜で移動するという、ちょっとハードなプランを選択しました。
夜にも関わらずドイツのアウトバーンには思いのほか多くの車が走っていました。キャンピングカー、自転車を積んだ車、窓から見えるほど荷物を積みこんだ車など、休暇旅行に行くんだろうなと思われる車も多かったです。そういえば、地域によっては学校の夏休みが始まっているんですよね。
さてフランクフルトからプロヴァンスへ向かう場合、まずドイツ国内のアウトバーン5号線をひたすら南下します。
毎年のことながら工事区間が多く、日中であれば大渋滞になることも多々あります。日本と違って深夜に工事をしているわけではありませんが、速度制限や車線数の減少などで、工事区間が多いとロスタイムが多くなり、予定通りに進めずちょっとイラっとしちゃいます。
ドイツのアウトバーンをスイスに入る少し手前で降りて、フランス側に進みます。ちょうどライン川が国境となり、橋を渡り切ったところにかつての国境検問所跡があります(いまは建物も撤去され、かつての国境検問所を知らなければ、そこがそうだったとはわからないぐらい、きれいさっぱり無くなっています)。
最も気にしていたドイツ・フランスの国境は心配をよそに何の検問等もなく過ぎ去りました。
早朝にリヨンを過ぎフランス高速7号線に入ると急激に車が増え、すでに渋滞も始まっていました。
このルートは『太陽の道』と呼ばれるプロヴァンスやコート・ダジュールへ向かう主要道路のため、ヴァカンスシーズンは頻繁に渋滞が起こります。
この時期、フランス国内はもとより欧州各国からもこれだけの車が集まってきていることに驚くばかりでした。
今回の旅の日程
アメリカや日本を含むアジア諸国からの観光客がいないにも拘わらず、そうとは思えないほどの混雑ぶりにさらに驚くことになるのですが、それは追ってお伝えします。
今回の旅の主要目的は下記の3つでした。
- ローヌワインの買い出し(半年分のワインをまとめ買いする)
- オリーブオイルの買い出し(ほぼ1年分のオイルをまとめ買いする)
- 数あるラベンダー街道の中から、いまだ走ったことのないルートを走る
今回の『2020年 真夏のプロヴァンス』シリーズでは、今回訪れた中からまだ紹介できていないところを中心に紹介しようと思っています。
- エステザルグ村(Estézargues)、ヴァンソーブル村(Vinsobres)のワイナリー紹介
- ニヨン(Nyons)のオリーブオイル
- ラベンダー街道の中心地ヴァンレソール高原やあまり知られていないルートの紹介
最近はすっかり記事をアップするスピードが落ち気味ですが、少しずつ書き上げていきますので気長にお付き合いいただけると嬉しいです。